コンプライアンスの重要性とその取り組み方について解説

 公開日:2023年2月28日

「コンプライアンス」について、「法令順守」という意味に置き換えて理解している人は、意外に多いのではないでしょうか。
しかし、それは正しい理解とは言えません。
企業が法令順守していたのにも関わらず、社会から厳しい非難を浴びることも珍しくありません。

この記事では、労務コンプライアンスの観点から、法令順守の重要性とコンプライアンスの適切な取り組み方について解説していきます。

コンプライアンスの本当の意味

法令順守していたのに非難された企業の事例

冒頭で、企業が法規制をクリアしていたのに社会から非難されたケースがあると述べましたが、まず1つ事例を紹介しましょう。
2007年5月にある遊園地のジェットコースターで乗客が亡くなる事故が発生しました。 コースターの車軸が突然折損したことが原因でした。
遊園地を運営する会社の説明では、当該コースターを使い始めてから15年になるが、「建築基準法」で義務付けられている定期点検は実施していたものの、義務化されていない車軸交換は1回も行っていないとのことでした。
この事故が大々的に報道されたため、次第に客足は遠のき、ついには閉園に追い込まれました。
また、運営会社の取締役と施設担当部長は、「業務上過失致死罪」で有罪判決を受ける結果となりました。

非難された理由

なぜ、法令を遵守していたのに非難されたのでしょうか。
その理由は、社会が企業に期待することに反していたからではないかと考えられます。
なぜならば、遊園地に遊びに行く客たちは「この遊園地はアトラクションの設備をきちんとメンテナンスして、安全確保をしてくれている」と期待しているからです。
「もしかしたら、危ないかもしれない」と不安を感じながら遊園地に行く客などいません。 つまり、消費者の期待に反したことが、企業が法令順守していたのにも関わらず、非難された原因と言えるのです。

コンプライアンスの本来の意味

前述したような事例を見てみると、コンプライアンスとは法令順守を超えるもののように捉えられます。
もともとコンプライアンス(compliance)は、多くの英和辞典では「命令・要求に従うこと」とあります。

ただし、これだけでは法令順守とさほど変わりません。
そこで、コンプライアンスという名詞のもとの言葉であるコンプライ(comply)という動詞を調べてみると、「(何かに)合わせる」とあります。
したがって、コンプライアンスとは「何かに合わせること」というのが元来の意味です。
これを企業という組織に当てはめると「相手に合わせること」となるのですが、相手の願いや望みに対して、企業側も主体性をもって積極的に対応する、という解釈をするべきと言えるでしょう。

企業にとってのコンプライアンスとは

以上のことから、企業にとってのコンプライアンスとは「ステークホルダー(利害関係者)である従業員や株主、取引先、そして消費者などの期待に応えること」と理解するのが適切であり、その企業で働く従業員にとっては「社内外を含めた様々な人たちの期待に応えること」がコンプライアンスなのです。

労働基準法順守の重要性

確かにコンプライアンスについては、狭義では法令順守と捉えられることが多いですが、企業などの組織でその根幹となるのは労働基準法です。

法令違反を含まない単なる「コンプライアンス違反」の場合は、行為者は社内処分や社会的非難を受けることはありますが、「法令違反」ともなるとそれにとどまらず、行為者に「法的制裁」が科せられます。

法律は大別すると、犯罪者を処罰する「刑事法」、国や自治体が国民や住民のために活動する際の取り決めである「行政法」、民間のトラブルを解決する「民事法」の3つです。

労働基準法も罰則がある法律で、違反した行為に対して「罰金刑」や「懲役刑」といった刑事罰が科せられることもあります。
労働基準法は、労働者の生存権を保障するために労働契約・賃金・労働時間・休日・就業規則など労働条件における最低基準を定めた法律です。

企業にとって従業員は、消費者と同じく大切な存在です。

経営者がいくら「ユーザー第一」「社会貢献」などのビジョンを掲げても、従業員がそれに賛同して働かなければ企業は前進できません。
従業員は企業活動の原動力と言っていいでしょう。
その大切な従業員を守るための労働基準法に違反するということは、企業の存在そのものを否定していることにほかなりません。

また、少子高齢化が進み、労働者人口の減少も重大な問題とされている中、人材確保の観点からも法令順守は企業の生命線です。
したがって、労働基準法を遵守し活動することが企業の大前提と言えるのです。
また、コンプライアンスを考慮すれば、企業側は従業員が会社に何を期待しているのかを見定める必要があります。
やはり、一番に期待されるのは「安全な職場」でしょう。
企業には、従業員の安全確保に配慮しなければならないとする「安全配慮義務」があります。
その他、「差別のない職場」、「各種ハラスメントのない職場」なども、従業員が期待するものと考えられます。

労務コンプライアンスの適切な取り組み方とは

ルール作りだけがコンプライアンスの取り組みではない

労務コンプライアンスとは前項で述べたとおり、「労働基準法をはじめとする労働関係法令を順守し労務管理を行うこと」を指します。

企業が労務管理をしていく中で、「長時間労働」「賃金未払い」「各種ハラスメント」など様々なリスクが存在しますが、コンプライアンスの取り組みについては、ただ単に社内でルールを作り守ってもらうというだけでは不十分です。
企業としては、なるべく不正が起こりにくい仕組みを作っておく必要があります。

取り組み手順① 職務権限の分担

コンプライアンスのための社内体制においては、職務権限の明確化を図るとともに適切な役割分担によって、権限が一部に集中したり権利の死角が生じたりしないよう配慮することが大切です。

取り組み手順② 事前チェックの体制

手順①を確実に行うためには、一人の人間に不必要に広い権限を与えていないか、あるいはノーチェックで業務を行えるようになっていないかなど、事前のチェック体制を整備することが必要です。
ただし、目先のことだけにとらわれず広い視野をもって、社会からの期待に応じた健全な事業運営を目指すような企業風土の醸成が大前提となります。

取り組み手順③ 事後のチェック体制

次に監督権限の明確化を図り、トラブルに対する苦情処理窓口、監査スタッフの整備など、事後的なチェック体制の充実化が求められます。
これらをサポートする部署として、法務部・人事部・検査部といった管理部門が適切に位置付けられることも重要です。
そして、それぞれの機能の充実と強化、連携を図ることが大事です。
このように、コンプライアンスは、「①職務権限の分担」「②事前のチェック体制」「③事後のチェック体制」の3本柱を主軸体制として取り組んでいくのが適切と言えるでしょう

まとめ

近年は日本においても、コンプライアンスをめぐる状況は大きく前進してきました。
大企業でなくても社内規定などを整備し、研修を行ったり内部通報窓口を設置したりするのは当然のことになっています。
そうした一方で、「コンプライアンス疲れ」やその形骸化、空洞化などの弊害が指摘されています。
まだまだ、基本的な誤解も多く、実際にはほとんど機能していない企業も少なくありません。
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