クラウドBPO:未来のビジネスプロセスアウトソーシング

 公開日:2023年11月8日

従来のBPO(Business Process Outsourcing)は、主に間接業務に焦点を当てていましたが、現在では人材育成やマーケティングなど幅広い業務に拡大しています。

 

この記事では、クラウドコンピューティングを活用したBPO「クラウドBPO」に焦点を当て、導入におけるメリット・デメリットや、導入の際に注意するポイントなどを紹介します。

 

「クラウドBPOとは?」「導入する時に気を付けることは?」など疑問を持つ方は参考にしてください。

クラウドBPOとは?

クラウドBPOとは、クラウドコンピューティングを活用して、必要な時に必要な範囲のBPOサービスを提供する新たなアプローチです。

 

BPOとは、「Business Process Outsourcing」の略で、業務の企画・設計から実施までを一括して専門業者に外部委託するプロセスです。

 

BPOの市場規模は、年々拡大傾向にあります。2021年度のBPOサービス全体の市場規模は、前年度比3.0%増の4兆5,636億9,000万円と推計されています。

 

慢性的な人材不足に直面している企業にとって、BPOは課題解決のひとつです。非コア業務や一時的な業務を外部企業にアウトソースすることで、コストの削減と品質の向上を実現します。

クラウドBPOの定義と特徴

クラウドBPOは、ビジネスプロセスのアウトソーシングを、クラウドを介して提供するサービスです。従来のBPOとは異なり、クラウドコンピューティングを活用して業務プロセスを外部に委託します。

 

使用されるクラウドサービスには、IaaS, PaaS, SaaSなどの種類があります。

 

従来のBPOはオフショアやオンショアのサービスプロバイダーによって提供されていました。クラウドBPOでは、インターネット経由で提供され、サブスクリプションベースで利用できることが大きな特徴です。ソフトウェアをハードウェアにインストールせずに利用できます。

 

クラウドBPOは、ビジネスプロセスのアウトソーシングとクラウドテクノロジーを組み合わせ、効率的で包括的なサービスを提供します。企業は必要な業務プロセスを外部に委託し、クラウドを通じてアクセスすることが可能です。

 

 

クラウドBPOの種類IaaS, PaaS, SaaS

クラウドBPOは、ユーザーがネットワークを通じて様々なコンピューティングサービスにアクセスできる仕組みです。代表的なサービスには、IaaS、PaaS、SaaSなどが含まれます。

IaaS(Infrastructure as a Service)とは?

IaaSは、インフラを提供するサービスです。ユーザーはサーバーやストレージなどのインフラをクラウド経由で利用できます。通常であれば自社のシステム担当が、購入・構築・運用すべきITシステムを、必要なときに必要なだけ利用できるメリットがあります。

PaaS(Platform as a Service)とは

PaaSは、プラットフォームを提供するサービスで、ユーザーにOSやミドルウェア、ネットワークなどのプラットフォームを提供します。PaaSを使用した代表的な例は、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどがあります。

 

開発環境をゼロベースで構築することなく、プログラミングを実行できます。

SaaS(Software as a Service)とは

SaaSは、ソフトウェアを提供するサービスです。インターネット経由でソフトウェアを提供することで、ユーザーはアプリケーションを直接利用できます。ECサイト、SNS・ゲーム、ASPサービスなどもSaaSに含まれます。

 

それぞれの業務負担、業務負荷、自由度をまとめた一覧は下記のとおりです。

特徴 業務負担 業務負荷 自由度
IaaS 基本的なインフラストラクチャ提供 インフラストラクチャ管理が必要 高い
PaaS プラットフォーム提供 アプリケーション開発に焦点 高い
SaaS 完全なソフトウェアサービス提供 ソフトウェア利用に集中 低い

クラウドBPOのメリット

クラウドBPOの代表的なメリットは、次の4つがあります。

コスト削減

クラウドBPOの導入は、コスト削減に効果的です。従業員のスキル育成やリソースの準備にかかるコストを大幅に削減できます。

 

自社で人材育成やインフラ整備にかける費用が不要になることで、人件費の削減が可能です。

 

クラウドBPOの導入により、従業員がコア業務に集中できることもコスト削減につながります。ノンコア業務や一時的な業務に関連する人件費や、固定費が外部へ委託されるため、運用コストは削減されます。

 

自社のPCへシステムをインストールする必要がないクラウドBPOは、システム関連の費用削減にも効果を発揮します。

 

クラウドBPOの導入は、効率的なリソース活用によるコスト圧縮につながるでしょう。

効率と生産性の向上

クラウドBPOのメリットには、業務効率化の実現が挙げられます。クラウドBPOのプロバイダーは専門分野に特化しており、業務プロセスの改善や自動化によって、業務にかかる時間やコストを削減できます。

 

クラウドBPOに業務を委託することで、社員の事情に左右されずに業務が継続できることも要因の一つです。業務量に応じて従業員を増員する必要がなく、結果として業務に要する時間とコストを節約できます。

 

業務の効率化により、必要な社員数を制限できるため、人件費の削減に効果的です。業務が属人化することもなく、業務の中断リスクも低減し、生産性の向上に大きく貢献します。

スケーラビリティ

クラウドBPOによるスケーラビリティも大きなメリットです。スケーラビリティとは、ビジネス環境の変化に合わせて柔軟に対応できる能力を指します。

 

クラウドBPOでは、顧客管理システムを中心に、顧客対応サービス、IT、イベント運用など多岐にわたる業務をワンストップで委託できます。クラウドを通じて必要な業務プロセスに、必要なタイミングでアクセスできます。企業規模や従業員数に左右されることがありません。企業の成長や変化にも随時対応ができるため、ビジネス環境の変化にスピーディーに対応可能です。

 

 

 

クラウドBPOを導入することで、ビジネス環境の変化に合わせて柔軟に対応できるスケーラビリティを獲得できます。

グローバルアクセス

クラウドBPOは、世界中どこからでもデータやアプリケーション、コンピューティングリソースにアクセスできます。

 

企業やは、自社で物理サーバーを導入したり、ソフトウェアを稼働させたり、データベースを管理したりする必要がありません。インターネットを通じてオンデマンドでコンピューティングリソースにアクセスできます。

 

アクセス面での向上は、ユーザー同士のコミュニケーション、ファイル共有、ドキュメントの共同編集も容易になるなど利便性を高め、従業員の生産性を維持につながるでしょう。

 

ユーザーは、世界中どこからでもデータやアプリケーションにアクセスできるようになるため、グローバルに事業展開する企業にとってはメリットが大きいといえます。

 

 

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クラウドBPOのデメリット

クラウドBPOの導入によるデメリットは次のとおりです。

セキュリティリスク

クラウドBPOのデメリットとして、セキュリティリスクが挙げられます。BPOを外部企業に委託する際、顧客企業の機密情報にアクセスする必要があり、情報漏えいのリスクが発生します。

 

個人情報や財務情報を共有する人事・労務業務では、情報漏えいが社会的責任を問われる可能性がある点に警戒が必要です。

 

クラウドBPOを導入する際には、情報管理体制とセキュリティ対策に注力しましょう。

 

COMITHRでは、企業に合わせたBPOサービスのカスタマイズが可能です。従来は紙でおこなっていた申請業務も電子化できるため情報管理がスムーズになります。

クラウドBPOを通じて高いセキュリティと、柔軟なスケーリング能力を提供します。

 

 

 

 

データプライバシーの懸念

クラウドBPOのデメリットの中で、懸念事項はデータプライバシーの問題です。クラウドBPOには、機密情報の漏洩やデータセキュリティの問題などが発生する可能性があるため、慎重なアプローチが必要です。

 

導入にあたっては、信頼性のある委託会社の選定が不可欠です。その企業の実績とセキュリティ対策を確認しましょう。

データプライバシーの喪失には、定期的なコミュニケーションや問題発生時の情報共有の仕組み構築が不可欠です。

 

COMITHRでは、契約前の事前相談もオンラインで気軽におこなえます。企業とアウトソーサー間でのギャップを無くし、定期的な情報共有の仕組みを確立することで、データセキュリティの向上に寄与します。

 

 

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クラウドBPOの導入ステップ

クラウドBPOの導入を下記4つのステップで説明します。

現状分析と目標設定

クラウドBPOの導入にあたって、最初におこなうことは現状分析と目標設定です。

 

問題点を特定するために、各業務タスクにおける課題を明らかにします。現状分析をおこなうことで、たとえば、総務部門と他部署の協力不足や、特定のタスクへの過剰な時間投入などが見つかるでしょう。

 

分析により現在の課題を特定することで、具体的な改善策を検討できます。各業務やタスクの相互関係を図式化し、どの要素を修正すべきかを明確にします。改善によって得られる期待値を計算し目標に設定します。

クラウドBPOプロバイダーの選定

現状分析と目標設定をおこなった後に、BPOプロバイダーの選定をします。プロバイダーの選定には下記の項目を評価基準とします。

 

  • 業務の規模
  • 専門性
  • コスト
  • 実績
  • 信頼性
  • 実績

 

次に、選定したプロバイダーと契約締結をおこないます。

契約内容には

 

  • 業務の詳細
  • 費用
  • 契約期間
  • 品質基準

 

などを明確に定義したうえで双方が合意することが必要です。

 

契約書は権利と責任を規定する重要な文書であるため、十分な検討が必要です。将来の変更や解約に備え、柔軟性と変更の範囲も検討します。

SLA(サービスレベル契約)の設定

次のステップはSLAの設定です。SLAとは、サービスレベル契約の意味で、サービス提供者と利用者の間で合意される、サービス品質に関する契約を指します。

 

SLAには以下の要素が含まれます。

 

  • 前提条件: SLAの文脈や背景を定義します。
  • 役割と責任: サービス提供者と利用者のそれぞれの役割と責任を明示化します。
  • サービスレベル: 可用性、パフォーマンス、キャパシティ、データ保護などの具体的なサービス品質要件を定義します。ヘルプデスクやセキュリティなども含まれます。
  • サービス未達時の対応: サービスが契約した品質に達しない場合の対応手順を明示化します。
  • システム運営のルール: サービス提供に関する具体的な運用ルールを定義します。

 

SLAでは、具体的なパフォーマンス要件が規定され、サービス提供者と利用者の責任を明確にします。

 

クラウドBPO導入によるサービスの信頼性を確保するための重要な要素です。

実装と移行

SLAを締結した後は、クラウドBPOの実装と移行をおこないます。

 

実装と移行にあたっては下記の手順となります。

 

  • 事前テストをおこなう
  • クラウドへ移行する
  • 事後チェックおこなう

 

事前テストをおこなう

移行前にクラウドサービス環境での事前テストを実施し、問題点を特定し解決策を練ります。

 

クラウドへ移行する

現行システムの停止、移行、移行先環境でのシステム運用開始の手順を確立し、移行を進めます。進捗に合わせた複数パターンの切り戻し手順を確認し、トラブル発生時の対応策を用意します。

 

事後チェックをおこなう

移行後にシステムの挙動とパフォーマンスを確認し、問題の原因を特定します。

 

上記のステップを遵守することで、クラウドBPOの実装と移行プロセスをスムーズに進行します。

クラウドBPOプロバイダーの選び方

クラウドBPOのプロバイダーを選ぶ際のポイントには下記があります。

実績と経験

クラウドBPOプロバイダーの選定には、実績と経験を重要視しましょう。

 

実績をチェックすることで、プロバイダーの評判と信頼性を評価できます。HPやWebサイトの実績ページや具体例から判断しましょう。

 

プロバイダーの実績と経験に基づいた選択は、プロジェクトの成功に大きく寄与します。

セキュリティとコンプライアンス

クラウドBPOプロバイダーを選ぶ際、セキュリティとコンプライアンスは大きな留意点です。

 

BPO業務では、顧客情報の取り扱いが日常的です。データのセキュリティとプライバシー保護が極めて重要です。適切なセキュリティ対策と法的規制へ適合しているプロバイダーは、データ漏洩リスクの軽減と信頼性を確保できます。

 

信頼できるプロバイダーかを見極める基準として、ISO 27001認証を取得し、セキュリティ対策を実施しているか確認しましょう。データ保持期間や法的要件へのデータ管理を実施しているかも重要なポイントです。

価格とコスト効率

クラウドBPOを選ぶ際、価格とコスト効率は重要な要因です。

 

プロバイダーを選定する前に、自社内で同じ業務を遂行するコストと、クラウドBPO導入によるコストを比較しましょう。クラウドBPOが、コストに影響を与える要因を把握しておくことが必要です。

 

具体的には、複数のBPOプロバイダーから見積もりを取ることをおすすめします。クラウドBPOを選択する際に、安価なプロバイダーの選択は、サービス品質に影響する可能性があります。適切な価格とコスト効率を検討し、バランスを重要視しましょう。

 

 

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ケーススタディ:クラウドBPOの成功例

アストモスリテイリング株式会社が、COMIT HRクラウドBPOを導入した成功事例を紹介します。

 

アストモスリテイング株式会社はエネルギー事業を主体とした企業で、それまでは旧8社で分散していた給与計算・社保業務の統一を課題としていました。

 

業務の専門性が高いこともあり、担当者が不在時のリスクを想定して、COMIT HRを導入しました。導入により、人事業務のフルアウトソーシングを実現しています。

 

最初は九州の支社から始め、段階的に統合して業務の一元化を実現しました。システム上での社員自己申告システムが可能で、年末調整や給与計算の業務効率も向上しています。

 

さらに8社の業務を一元化することで大幅なコスト削減を実現、担当者の急病などにも柔軟に対応できます。

 

COMIT HRのクラウドBPO導入により、業務効率化、コスト削減、リスクマネジメント、社員満足度向上など多くの利点を得ています。

 

 

会社概要  会社名 アストモスリテイリング株式会社
業種 エネルギー事業
従業員数 698名(2022年4月1日現在)
URL アストモスリテイリング公式サイト
導入システム jinjer(ジンジャー)

課題

・旧8社で分かれていた給与計算・社保業務の統一化が必要

・業務に専門性が必要で、担当者不在時のリスクがあった

・季節労働の負担や年末調整に時間と労力がかかっていた

解決方法

・九州カンパニーを始めとして段階的に統合

・COMIT HRを導入して人事業務をフルアウトソーシング

・システム上で社員が年末調整などを申請できるようになった

成果

・業務の統一化により大幅なコスト削減

・担当者不在時でも業務継続が確保され、リスクマネジメントに寄与

・人事担当者の業務負担が減り、コア業務に専念

・年末調整などが楽になり、社員からの評判も高い

COMITHR 導入の決め手

・安定した事業基盤と株主構成

・コスト面での競争力の高さ

・ワンストップサービスと対応業務範囲の広さ

 

まとめ

クラウドBPOは、業務プロセスの効率化と業績向上をサポートする革新的なアプローチです。

 

業務プロセスを、専門のプロバイダーにアウトソースすることで、企業はコスト削減、効率向上、リソースの最適活用を実現できます。

 

クラウドを活用することで、どこからでもアクセス可能なため、急速に変化するビジネス環境において、企業の競争力向上に寄与するでしょう。

 

COMIT HRでは、多種多様な人事・労務業務に対応するクラウドBPOサービスを提供しています。

 

「最適な業務フローを整えて効率化を推進したい」「クラウドBPOで業務コストを見直したい」とお考えでしたら、ぜひ弊社にご相談ください。

 

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