2022年(令和4年)の年末調整の改正点は?

 公開日:2022年10月27日

2022年(令和4年)の年末調整では昨年と比較して「大きな改正事項はありません」と国税庁は発表しています。
しかし、人事・給与の担当者として実務上は見落としてはならない変更点があります。
この記事では2022年の年末調整の改正点について解説するので参考にしてください。

【改正のポイント】
・社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除の控除証明書の電子データによる提出が可能になった。
・勤続年数が5年以下で役員等以外の人について退職所得の計算方法が改正された。

1.社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除が電子データに対応

2022年(令和4年)の年末調整から社会保険料の控除証明書の電子化対応範囲が広がり、社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除も電子データで提出できるようになります。
年末調整の際に従業員が勤め先に提出する控除証明書として、生命保険や地震保険などは2020年(令和2年)に電子データに対応しました。
国税庁では精力的に年末調整手続きの電子化を推進しています。
今年の改正も電子化の流れの中で取り入れられたもので、今後はさらに電子証明書への対応が進められていくでしょう。
国民年金基金やiDeCoによる資産運用によって老後の備えをする人が多い世の中になり、年末調整の際には社会保険料控除や小規模企業共済等掛金控除をする従業員もだんだんと増えていくでしょう。
控除証明書の電子データによる発行も進められているため、企業としても電子データによる提出に対応する必要性が高まっています。

2.短期退職所得課税の計算方法の改正

2022年の年末調整から短期退職所得について計算方法が変わります。
5年以下の勤続年数で役員等ではない従業員については、退職手当等による収入金額の大きさによって退職所得の計算方法が異なるので気を付けましょう。
改正前後における退職所得の計算方法を以下にまとめました。

【改正前】
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2

【改正後】
・短期退職手当等による収入金額-退職所得控除額が300万円以下の場合
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2

・短期退職手当等による収入金額-退職所得控除額が300万円を超える場合
退職所得=150万円+{収入金額-(300万円+退職所得控除額)}×1/2

改正前は一律で収入金額から退職所得控除額を引いた金額の半分が退職所得でした。
しかし、改正後は収入金額から退職所得控除額を引いた金額の300万円を超える部分については全額が退職所得になる仕組みに変更されています。
年末調整ではこのような課税額の計算方法の改正に対応する必要があります。
2023年には住宅ローン控除の控除率や控除期間などにも変更があるので、毎年の変化に対応できる体制を整えるのが大切です。

3.2022年(令和4年)の年末調整におけるその他の留意点

税制上で実務に大きな影響がある改正点は以上の2つです。
この他に2022年の年末調整で留意しておいた方が良いポイントが2つあるので簡単に紹介します。

成年年齢が20歳から18歳に引き下げ

2022年(令和4年)4月1日の民法改正によって、日本では成年が20歳以上ではなく18歳以上になりました。
源泉徴収票の未成年者の欄については、平成17年3月1日以降の生まれの場合にチェックを入れる必要があります。
昨年は17歳、18歳だった人も今年から成年の扱いになるので、「20歳以上なら自動でチェックする」といったマクロやプログラムを組んでいた場合には修正しておきましょう。

年末調整計算シートの提供

国税庁が年末調整計算シートを公開しました。
エクセルファイルで自由にダウンロードして利用できます。
国税庁の「年末調整がよくわかるページ」(https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm)からダウンロードできるので、計算結果の検算に利用すると良いでしょう。

4.まとめ

2022年(令和4年)の年末調整では控除証明書の電子化の範囲が広がりました。
着実に進められてきている年末調整の電子化に対応できるインフラを整えるのが人事・給与担当部署にとって大きな課題になっています。
また、税率や控除率などの税制や年齢などの定義にかかわる民法の改正にも正確に対応できる体制を整えるのが大切です。
年末調整では従業員による控除証明書の書類提出のトラブルや、提出された書類の情報を手入力する負担やミスなどの問題も抱えていることが多いでしょう。
年末調整にかかわる課題解決にはCOMIT HRの年末調整をご活用ください。
COMIT HRでは年末調整システム「簡単年調」を導入して、写真のアップロードだけで控除証明書を提出できるインフラを提供しています。

年末調整サービスページ
https://www.comit-hr.jp/job/job-5/

貴社の事情に合わせてスタッフによる業務サポートにも同時に対応していますので、今後の年末調整の効率化をお考えでしたらぜひご相談ください。

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