【給与計算代行の料金相場】人数別の費用・料金内訳・内製との違いを解説

 公開日:2026年10月20日

毎月発生する給与計算。社会保険料や所得税の計算、法改正への対応など、担当者には正確さと専門知識が求められます。

給与計算代行を検討していても、「月額費用はいくらかかるの?」「自社で対応するより安くなる?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

給与計算代行の料金は、従業員数や委託する業務範囲によって異なります。この記事では、人数別の料金目安や料金内訳、費用が変わる要因、依頼先ごとの違い、内製との総コスト比較、サービスの選び方を解説します。

給与計算代行の料金相場早見表

給与計算代行の料金相場早見表

給与計算代行の費用は、従業員数と、どこまで任せるかで大きく変わります。まずは目安をざっくり見てみましょう。

従業員数 月額費用の目安(給与計算のみ) 月額費用の目安(フルアウトソーシング)
10名 1.5万〜4万円 5万〜10万円
30名 3万〜7万円 8万〜15万円
50名 4万〜10万円 12万〜25万円
100名 7万〜15万円 20万〜40万円
300名 15万〜35万円 50万円〜

※上記はあくまで目安です。依頼先や業務範囲、従業員の雇用形態などによって金額は変わります。正式な金額は、必ず見積もりでご確認ください。

『給与計算のみ』と『フルアウトソーシング』で差が出る

表の2つの列で金額が違うのは、任せる範囲が違うからです。

「給与計算のみ」は、自社から渡した勤怠データをもとに、給与の計算と明細の作成をしてもらうプランです。勤怠の集計や振込、社会保険の手続きは、これまで通り自社で行います。

一方の「フルアウトソーシング」は、勤怠データの確認・集計から、給与計算、振込データの作成、社会保険・税務の手続き、問い合わせ対応まで幅広い業務をまとめて委託できるサービスです。担当者の負担はぐっと軽くなりますが、そのぶん費用は高めになります。

「どこまで手放したいか」を先に決めておくと、相場と比較しやすくなります。

給与計算代行の料金体系

給与計算代行の料金体系

見積もりを正しく読むには、料金がどのような項目で構成されているかを知っておく必要があります。詳しく見ていきましょう。

月額基本料金+従業員1人あたりの従量課金

料金体系の一例として、月額基本料金に従業員1人あたりの料金を加算する方式があります。基本料金や1人あたりの単価はサービスによって異なるため、料金表を確認しましょう。

初期費用・導入支援費用

契約のときに、初期設定やデータ移行のための費用がかかることがあります。無料のサービスもあれば、数万〜10万円以上かかるところもあります。過去データの取り込みや、就業規則・給与規程の確認まで含むかどうかで、金額が変わってきます。

年末調整・賞与・住民税・社会保険のオプション

基本料金に入っていない業務は、オプションとして別料金になるのが一般的です。年末調整は1人あたり1,000〜3,000円ほど、賞与計算は1回ごとに加算されるケースが多めです。住民税の更新や、社会保険の算定基礎届・月額変更届なども、対応してもらえるか、どのくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。

システム利用料・明細発行・振込データ・問い合わせ費

給与明細の電子発行や振込データの作成、従業員からの問い合わせ対応は、別料金になっていることがあります。1通ごとの課金だったり、月額固定だったりと、形はさまざまです。紙の明細を郵送する場合は、印刷代や送料もかかります。

最低利用料金・最低人数に注意

サービスによっては、「最低利用料金」や「最低人数」が決まっています。たとえば、5名以下でも10名分の料金になる、といった具合です。少人数の会社は、思ったより割高にならないか、事前にチェックしておきましょう。

料金が高くなる7つの要因

料金が高くなる7つの要因

同じ人数でも、条件によって見積もりは大きく変わります。どんなときに高くなりやすいのか、7つのポイントを見ていきましょう。

雇用形態・給与体系・勤務形態が複雑

正社員、パート、アルバイト、派遣、役員など、いろいろな雇用形態が混ざっていると、計算のルールが増えます。歩合給や変形労働時間制、たくさんの手当がある場合も、確認や設定に手間がかかって費用が上がりやすくなります。

勤怠データが未確定・紙・複数形式

締め日までに勤怠が確定しない、紙で届く、拠点ごとに形式がバラバラ…。こんな状態だと、データを整える作業が増えてしまいます。形式をそろえて電子データで渡すだけで、費用を抑えられることもあります。

複数法人・拠点・締め支払日がある

法人や拠点が複数あって、締め日や支払日も違う場合は、それぞれ別の処理が必要になります。グループ会社をまとめて頼むときは、条件ごとの料金のしくみを確認しておきましょう。

短納期・頻繁な締め後修正・遡及がある

締め日から支払日までの日数が短い、締めたあとに修正がちょくちょく入る、過去の分までさかのぼって直す、こうしたケースでは、特急対応や追加作業の費用がかかることがあります。

問い合わせ窓口や紙配付まで任せる

従業員からの問い合わせ窓口や、紙の給与明細の配付まで任せると、その分の人件費が料金に上乗せされます。電子明細に切り替えたり、社内の窓口を一本化したりすると、費用を抑えられる場合があります。

システム導入・移行・開発を同時に行う

新しい給与システムへの切り替えや、既存システムとの連携開発を同時に進めると、導入費用が一気にふくらみます。代行の導入と同時にやるのか、順番に進めるのか、あらかじめ考えておくと良いでしょう。

高度なセキュリティ・BCP・SLAなどの要件がある

専用環境での運用や、事業継続計画(BCP)、サービス品質保証(SLA)などの要件によっては、追加の対応費用が発生する場合があります。必要な水準を整理し、見積もり時に対応範囲と費用を確認しましょう。

依頼先別の相場と向いている企業

依頼先別の相場と向いている企業

給与計算の依頼先は、大きく分けて社労士事務所、税理士事務所、給与計算代行会社、人事BPO事業者の4つです。それぞれ料金の傾向も得意分野も違うので、見ていきましょう。

社労士・税理士・代行会社・BPOの違いを比較

依頼先 料金傾向 主な対応範囲 向いている企業
社労士事務所 中程度 ・給与計算

・社会保険手続き

・労務相談

労務面も相談したい企業
税理士事務所 比較的安価〜
中程度
・給与計算

・年末調整

・会計 / 税務

会計とまとめたい小規模企業
給与計算代行会社 比較的安価 ・給与計算

・明細発行

・年末調整

計算業務を効率的に外注したい企業
人事BPO事業者 高め 勤怠管理から給与計算、その他手続きまで一括対応 人事業務を広く任せたい企業

※記載している料金はあくまで目安です。実際の料金やサービス内容については、各提供会社へお問い合わせください。

社労士事務所|社会保険手続きや労務相談も任せたい企業向け

社労士は、社会保険や労働法令のプロです。給与計算にあわせて、入退社の手続きや労務の相談にも乗ってもらえます。法令にしっかり沿った運用をしたい企業にぴったりです。

税理士事務所|会計・税務業務とまとめたい小規模企業向け

会社ですでに顧問税理士をやっとっているのであれば、給与計算も同じ事務所にお願いすると、やり取りの窓口が一本化できて楽です。年末調整や税務との連携もスムーズです。ただし、社会保険の手続きは対象外のこともあるので、事前に確認しておきましょう。

給与計算代行会社|計算業務を効率的に外注したい企業向け

給与計算を専門にしている会社で、料金がわかりやすく、コストも抑えやすい傾向があります。計算と明細発行を中心にお願いしたい企業に向いています。

人事BPO事業者|勤怠管理から給与計算まで一括化したい企業向け

勤怠管理、給与計算、社会保険、年末調整まで、まとめて引き受けてくれます。規模の大きな企業や、人事の仕事を幅広く外に出したい企業にぴったりです。

依頼先ごとの料金・対応範囲を比較

いちばん安いところが、いちばん良いとは限りません。たとえば、社会保険の手続きまで任せたいのに、計算だけの会社に頼んでしまうと、結局自社の作業が残ってしまいます。料金だけでなく、「対応範囲が自社の困りごとに合っているか」を基準に選んでみてください。

依頼先 料金相場 給与
計算
社会
保険
税務 勤怠 向いている企業
社労士事務所 月額2万円〜 ○ ◎ △ △ 労務相談も任せたい企業
税理士事務所 月額1.5万円〜 ○ △ ◎ △ 会計とまとめたい小規模企業
給与計算代行会社 月額1万円〜 ◎ △ ○ △ 計算業務を効率化したい企業
人事BPO事業者 月額10万円〜 ◎ ○ ○ ◎ 人事業務を一括化したい企業

※◎=標準対応、〇=対応可(オプションの場合あり)、△=限定的または対応外。料金は「0円〜」の下限目安。

※記載している料金はあくまで目安です。実際の料金やサービス内容については、各提供会社へお問い合わせください。

内製と外注は総コストで比較する

内製と外注は総コストで比較する

外注費が高いか安いかの比較は、内製のコストと並べてみることで判断できます。

内製コストの計算式

内製コストは、次のように考えるとわかりやすいです。

内製コスト=給与担当者の人件費+教育・システム・法改正対応などの間接コスト+ミスや残業などの隠れコスト

実は内製には、人件費のほかにもこのようなコストがかかっています。

  • 給与計算担当者の人件費
  • 社会保険・税務知識の教育コスト
  • システム利用料
  • 法改正対応
  • バックアップ担当者
  • ミスや修正対応
  • 繁忙期の残業

担当者が1人だけだと、休職や退職で業務が止まってしまうリスクもあります。全部足してみると、思っていた以上に負担が大きい、という企業は少なくありません。

外注コストの計算式

外注コストは、こちらの式で考えます。

外注コスト=月額基本料金+(1人あたり単価×従業員数)+オプション費用+社内に残る確認業務の人件費

外注しても、データを渡す作業や仕上がりのチェックは自社に残ります。その手間も忘れずに入れて比べましょう。

金額以外に比較する効果

外注は、金額面でのメリット以外に下記のような効果もあります。

  • 専門家が計算してくれるので、ミスや法改正対応のリスクを軽減できる
  • 担当者が、人事戦略や採用など、本来やりたい業務に集中できる
  • 担当者が急にお休みしても、給与の支払いが止まらず安心できる

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給与計算代行を選ぶ手順

給与計算代行を選ぶ手順

「実際にどう選べばいいの?」という方のために、7つのステップにまとめました。

1.現在の給与計算業務を洗い出す

まずは、毎月の流れと、担当者ごとの作業時間を書き出してみましょう。勤怠集計、計算、明細発行、振込、手続きのうち、どこに時間がかかっているかが見えてきます。

2.外注する業務範囲を決める

洗い出した業務のなかから、外注するものと自社に残すものを決めます。範囲がはっきりするほど、見積もりの精度も上がります。

3.必要なサービス・セキュリティ要件を整理する

電子明細や休日対応、プライバシーマーク・ISMSといった認証の有無など、必要な条件を整理します。ここが曖昧だと、あとから追加料金が出やすくなるので要注意です。

4.複数社に同じ条件で見積もりを依頼する

2〜3社以上に、同じ条件で見積もりをお願いしましょう。条件がバラバラだと、金額を比べられません。

5.見積もりに含まれる業務と追加料金を確認する

見積もりの内訳を見て、何が含まれていて、何がオプションなのかをチェックします。年末調整、賞与、入退社の処理、修正対応などが別料金になっていないか、しっかり見ておきましょう。

6.運用体制・品質・セキュリティ・責任分界を比較する

担当者の体制、ミスがあったときの対応、情報の管理方法、自社と代行会社の責任範囲を比べます。「何かあったとき、どこまで任せられるのか」を契約前にはっきりさせておくのが大切です。

7.導入・移行計画を確認して契約する

導入までのスケジュールや、移行時の作業分担を確認して、無理のない計画で契約しましょう。切り替えのタイミングは、年末調整の時期や賞与月を避けると安心です。

給与計算代行の料金シミュレーション

給与計算代行の料金シミュレーション

ここまで相場を見てきましたが、実際の費用は、従業員数や任せる範囲によって会社ごとに変わります。「自社だとどのくらいになるの?」が気になったら、料金シミュレーションで手軽に確かめてみましょう。

例:従業員数100名・フルアウトソーシングの場合

従業員数(名) 100
依頼範囲 フルアウトソーシング
手取り逆算計算の対象人数(名) 5
年末調整の依頼 あり
年間の賞与回数(回) 2

 

項目 モデルケース1
基本料金部分(月額) 240,000円
年末調整・賞与(月額換算) –
手取り逆算計算の加算(月額) 7,500円
月額費用の目安 247,500円
月額費用の下限(目安) 198,000円
月額費用の上限(目安) 297,000円
初年度の総額
(初期費用込み)
3,070,000円
2年目以降の年額 2,970,000円
1人あたり月額(目安) 2,480円

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※記載している料金はあくまで目安です。実際の料金やサービス内容については、各提供会社へお問い合わせください。

よくある質問

よくある質問

給与計算の相場に関するよくある質問をまとめました。

給与計算を社労士に頼むと月いくらですか?

従業員10名ほどの場合、月額2万〜5万円くらいがひとつの目安です。社会保険の手続きや労務相談まで含めると、もう少し高くなることもあります。事務所や対応範囲によって違うので、見積もりで確認してみてください。

給与計算代行の料金は従業員数だけで決まりますか?

いいえ、人数だけでは決まりません。雇用形態の多さ、勤怠データの状態、締め日の数、任せる範囲、オプションの有無なども料金に影響します。同じ人数でも、条件しだいで費用は大きく変わります。

給与計算代行で年末調整も依頼できますか?

多くのサービスで依頼できます。ただ、基本料金には含まれず、オプションとして別料金になるのが一般的です。1人あたりの単価で決まることが多いので、契約前に確認しておきましょう。

給与計算代行は何人から利用できますか?

1名から対応してくれるサービスもありますが、最低利用料金や最低人数を決めているところもあります。少人数の場合は、その条件を確認したうえで比べるのがおすすめです。

給与計算代行を利用すると何が楽になりますか?

毎月の計算作業や、法改正への対応、年末調整の手間がぐんと軽くなります。担当者が不在でも業務が止まらず、ミスの心配も減らせます。空いた時間を、本来力を入れたい仕事に使えるようになりますよ。

給与計算代行会社を選ぶときのポイントは?

対応範囲と料金の内訳、セキュリティ体制、担当者の体制、責任分界の明確さをチェックしましょう。複数社から同じ条件で見積もりをとって比べるのがコツです。

まとめ

まとめ

給与計算代行の相場は、従業員数や任せる範囲、会社の状況によって大きく変わります。費用を考えるときは、月額料金だけでなく、オプションや追加費用まで見ておくと安心です。
内製のコストも、人件費だけでなく、教育、システム、法改正対応、ミスの修正、繁忙期の残業まで含めて比べてみてください。依頼先も、社労士・税理士・代行会社・BPOでそれぞれ得意なことが違います。

まずは自社の業務を洗い出して、複数社に同じ条件で見積もりをお願いしてみましょう。「ざっくり知りたい」という方は、ぜひ料金シミュレーションを参考にしてみてください。

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