派遣と請負(業務委託)との違い。メリットとデメリットを考察。

 公開日:2021年10月4日

企業を取り巻く環境がめまぐるしく変化する中、人材を「固定費」ではなく「変動費」で調達することで、業務効率化を実現しようとする企業も少なくありません。本記事では、これを実現する方法である派遣と請負(業務委託)の違いやメリット・デメリット、派遣から請負(業務委託)に切り替えるときの注意点について解説します。

派遣と請負(業務委託)の違い

派遣と請負(業務委託)は、「一定の期間において外部の労働市源を調達し業務を行わせる」という点では、共通しています。しかし実際のところ、両者は似て非なるモノです。派遣と請負(業務委託)の違いについて、以下の図をご覧ください。

1つ目の違いは、契約の種類です。派遣の場合は、派遣元の企業と派遣先の企業が「労働者派遣契約」を結びます。一方、請負(業務委託)の場合は、発注者と請負人(請負業者あるいは労働者)の間で結ばれるのは請負契約になります。

2つ目の違いは、指揮命令権の有無です。派遣契約のときには、派遣先の企業は労働者に対して、指揮・命令をできます。ところが、請負契約では、発注者は請負人に対して指揮・命令をすることは禁じられているため、注意が必要です。

3つ目の違いは、瑕疵担保責任の有無です。瑕疵担保責任とは、請負契約で納品した成果物に重大な欠陥がある場合に、請負人がとるべき責任(損害賠償や契約解除)です。瑕疵担保責任の有無が生じるのは、派遣契約の目的が「業務の遂行」であることに対して、請負契約の目的が「業務の完了(成果物の納品)」だからです。

派遣のメリット・デメリット

ここでは、請負(業務委託)と比べたときに、派遣労働者を企業が受け入れるメリットとデメリットを説明します。

派遣のメリットは、マネジメントのしやすさ

派遣のメリットは、派遣先の企業が労働者をマネジメントしやすいことです。前章で述べたように、請負契約では発注者に指揮命令権がないため、業務を遂行する上で支障が出る場合も多くあります。例えば、お互いの勤務する時間帯に違いがあり、ビデオ会議の都合を合わせられず、意思疎通が十分に行えない場合などが挙げられます。しかし派遣契約では、労働者に対して細かく指示を出せるため、企業としては安心して業務を任せることができます。

派遣のデメリットは、同一労働同一賃金によるコスト増

派遣のデメリットは、「同一労働同一賃金」により、これまでと比べて受け入れるコストが増加していることです。同一労働同一賃金とは、正規雇用者(正社員)か非正規雇用者(非正社員)かに関わらず、同じ仕事に就いているのなら同じ給与が支払われるべき、という考え方です。同一労働同一賃金は、「パートタイム・有期雇用労働法」の改正法が施行されたことにより、全ての企業が取り組むべき働き方改革のひとつになっています。

請負(業務委託)のメリット・デメリット

ここでは、派遣と比べた時の請負(業務委託)のメリットとデメリットを説明します。

請負(業務委託)のメリットは、柔軟性の高さ

請負(業務委託)のメリットは、発注者と請負人の両者にとって「柔軟な関係を築ける」ことです。

具体例として、企業がシステム(ソフトウェア)開発をITベンダー(開発者)に業務委託する場合を考えてみましょう。発注者としては、両者で協議して決めた要件を満たすシステムを受け取ることができれば、設計やコーディング、テストなどのプロセスがどのように進められたとしても問題ないでしょう。請負人であるITベンダーとしても、発注者から仕事の進め方について細かく指示を出されるより、自身の知識や経験に基づき業務を遂行する方が効率的です。

このように、状況に応じて柔軟に関係を築けることは、発注者と請負人にとってメリットが多くあります。

請負(業務委託)のデメリットは、不確実性

請負(業務委託)のデメリットは、業務を任せる上で一定の不確実性があることです。理由としては、指揮命令権がないことに加えて、請負契約における条件の妥当性を判断しにくいこと、が挙げられます。特に、発注者と請負人の間に認識の齟齬や情報の非対称性

がある場合に、思わぬリスクが顕在化する可能性があります。

派遣から請負(委託業務)への切替

同一労働同一賃金により、派遣労働者を受け入れるコストは増加しています。これに伴って、契約を「派遣契約から請負(業務委託)へ」と切り替えたい企業も多くなるはず。その際には、以下の3つの点に注意するとよいでしょう。

・ 法令遵守(コンプライアンス)

・工数/品質(パフォーマンス)

・意思疎通(コミュニケーション)

まず、派遣から請負(業務委託)に切り替えるときには、派遣契約から請負契約に切り替える必要があります。これにより、企業は労働者への指揮命令権が失われます。これを破ると「偽装請負」として罰則を受けるリスクがあるため、注意が必要です。

次に、企業は労働者が請負(業務委託)に切り替わることにより、労働環境が変化しても今まで通りの工数と品質で、業務を完了できるか見極めなくてはなりません。

最後に、契約が切り替わっても企業と労働者の間で十分に意思疎通が行われるかも大切です。そのためには、コミュニケーションのルールを事前に協議して、双方が納得した上で契約を結び、win-winの関係性を築くことが求められます。

まとめ

派遣と請負(業務委託)は、「一定の期間において外部の労働市源を調達し業務を行わせる」という点で共通しています。どちらの選択肢を企業がとるべきか、正解はありません。両者の違いとメリット・デメリットを十分に把握した上で、自社のニーズに合う選択をしましょう。

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記事監修者

COMITHR導入コンサルタント 五十嵐 薫

新卒入社後、COMITHRの導入メンバーとして、日々、多数のクライアントの人事・労務の業務分析、課題解決に取り組む。

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