健康経営推進における具体的な取り組みと今後の課題

 公開日:2022年12月27日

企業が生産性・業績を高める「投資」として、従業員の健康維持・増進に努める健康経営ですが、日本ではまだ取り組み始めた段階の企業が多いのが現状です。

参考:健康経営とは?世界で推進される背景と目的を解説
https://www.comit-hr.jp/blog-list/tips/health-management/

健康経営に関する第2部として解説する本記事では、近年の日本において関心を集めている具体的な取り組みや今後の課題、そして保険会社が商品開発をして展開している事例などについて解説していきます。

健康経営の側面支援となる「データヘルス」とは

厚生労働省では、経済産業省が 2014 年から推進している健康経営とともに、省庁の垣根を越えて車の両輪として推進するものとして、「データヘルス」事業に取り組んでいます。
データヘルスとは、健康保険組合をはじめとする医療保険者が、加入者(従業員)の健康データを活用・分析し、個々の状況に応じた保健指導や効果的な疾病予防と健康づくりを行うものです。
医療保険者が加入者の疾病予防と健康づくりを効果的に行うためには、保険者と企業(事業主)が連携し、一体となって取り組むことが重要であり、この取り組みを「コラボヘルス」と呼んでいます。
コラボヘルスの取り組みが推進されることによって、保険者と企業間の情報共有や保険事業の実施体制の整備などの進展が期待されます。
また、企業も自社の従業員の健康をどのように管理していくのかを考慮するきっかけを得られます。
つまり、コラボヘルスの推進は保険者と企業が従業員の健康づくりに対する目線を合わせ、それぞれの健康経営やデータヘルスの取り組みを推し進めるのに役立つものになっているのです。

日本における「健康経営の在り方」

日本政府が健康経営を推進する主な理由として「少子高齢化による労働人口の減少」が要因として挙げられます。
さらに進行する「超高齢化社会」を見据えたとき、健康経営の在り方を見直す必要があります。
2016 年に経済産業省は「企業の『健康経営』ガイドブック」(2018 年改訂)を発行しました。
さらに 2020 年には「健康投資管理会計ガイドライン」が発行されました。

先のガイドブックでは、「健康経営を実践するには、健康経営の取り組みが”経営基盤から現場の施策まで”の様々なレベルで連動・連携していることが重要であり、これは『①経営理念・方針』、『②組織体制』、『③制度・施行実行』、『④評価改善』の取り組みに大別される」ことが示されています。
特に『④評価改善』では、「組織内で行われる健康経営の様々な取り組みの結果が、従業員個人または組織全体に対してどのような成果を出すのか」という概念に基づいた評価の考え方や評価指標が示されています。
さらにこの評価結果についても、内部管理のためだけではなく、ESG 投資への関心の高まりから、投資家の投資意思決定などを支援するための情報開示することの重要性も示されています。

ESG とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)を組み合わせた言葉で、かつての国連事務総長アナン氏が発表した投資判断の新たな観点のことです。
したがって、このガイドブックの内容を踏まえつつ、経済産業省はガイドラインを「健康経営を持続的かつ効率的・効果的に実施するために必要な内部管理手法を示すとともに、取り組み状況について企業が外部と対話する際の共通の考え方を提示するものである」と位置づけています。
そのため、上場企業を中心とした健康経営導入企業は、現在も経済産業省のガイドブックやガイドラインをもとに、健康経営の取り組み効果の測定や評価、企業内外のステークホルダー(企業内外のあらゆる利害関係者)への開示方法が課題となっています。

保険会社が提供する健康経営に関する商品を紹介

さて、次は保険会社が健康経営に特化した商品を開発し展開している事例を2つ紹介します。
1つ目は、純粋に従業員の疾病などに対する保険ですが、健康経営を推進しやすいような特典などが用意されています。
もう一方は疾病などによる出費の保障ではなく、企業が健康経営の成功に導くためのサポートを行うサービスとなっています。

大同生命「健康増進型保険」

経営者や従業員に加入してもらい健康経営を推進する健康増進型保険で、その名も「KENCO+」という商品です。
加入者のニーズに合わせて年満期型と歳満期型の 2 タイプが用意されています。
年満期型については、次年度以降も更新が可能です。
死亡・高度障害はもとより、重度疾病による長期離職などにも備えています。特筆すべきは、健康経営を推進しやすい特典があることです。
「KENCO SUPPORT PORG R♙M(通称KSP)」という健康経営実践ツールが備わっており、歩数基準達成による割引やKSP へのポイント付与などがあるので、楽しみながら健康経営推進に取り組むことができるのが特徴です。

アクサ生命「健康経営サポートパッケージ」

従業員などの健康管理を経営的視点で捉え、戦略的に取り組む「健康経営」のスタートから実践までをサポートするサービスです。
利用できる基本サービスは以下の通りです。

◆健康習慣アンケート・・・従業員の生活習慣を可視化するためのアンケートを実施。
◆健康経営実践プログラム・・・オリジナルプログラムを用いて、健康経営を体系的に計画・実践する支援。
◆健康経営実践支援・・・セミナーの実施や取り組み事例、各種情報の提供を通じ、健康経営の実践を断続的にサポート。
◆健康経営優良法人認定支援・・・取り組み成果をもとに、健康経営優良法人認定のサポート。

まとめ

健康経営推進の取り組みは、大手企業を中心に活発化してはいるものの、これまで何十年も行ってきた「健康管理の推進」をそのまま「健康経営」と呼び変えている企業も少なくありません。
重要なのは取り組みの効果について、もっと分かりやすい指標で表すことが肝心です。
健康経営は、これまでの健康管理とは異なり、企業経営の発展とそれを通じた社会の発展が目指すべきゴールであるという認識の浸透、そしてその効果の示し方を発展させていくことが大きな課題と言えるのです。
「従業員の人事情報の管理が煩雑で面倒」などでお悩みの経営者の方、または人事担当者の方はぜひ一度COMIT HRご相談ください。
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記事監修者

渡邉 大介

InfoDeliver COMIT HR事業ユニット
渡邉 大介(Daisuke Watanabe)

大学卒業後、大手新聞社、IT企業にて20数年間、人事・総務部門で給与計算、労務管理、社会保険など幅広く勤務してきました。人事業務のアウトソーシング導入・運用のプロジェクトマネジャーとして、企業様の課題解決に注力いたします。これまで培った知識と経験を活かし、皆さんに様々な情報をお伝えしていきたいと思います。

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