目次
人事労務管理システムとは?
人事労務管理システムは、人事管理と労務管理の機能を持ち、企業の成長を支える強力なツールです。
人事管理では、従業員のあらゆるデータを一元管理することで、人事業務の効率化を図ります。従来の紙ベースやExcel管理では情報収集に時間がかかり、書類の不備や手入力によるミスが発生しやすいという課題がありました。
システムを導入することで情報収集の迅速化と、一元管理や業務効率の向上が実現できます。
労務管理では、従業員の勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、福利厚生管理などを効率化します。自動化機能により業務を効率化できます。
近年は、クラウド型のサービスが登場しており、導入や運用が容易になったことから、中小企業でも導入が進んでいます。
2024年版!労務管理クラウドサービス8選徹底比較
労務管理クラウドサービス8選を紹介します。
【比較表】機能・価格で選ぶベストな労務管理システム
目的 | 機能 | オフィスステーション労務 | SmartHR | ジョブカン労務HR | マネーフォワードクラウド人事管理 | ジンジャー人事(オプション労務利用時) | KING OF TIME | freee人事労務 | タレントパレット |
入退社手続き | 入社情報のWeb入力 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
社会保険などの各種書類作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
社会保険の電子申請 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
雇用契約書の作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Web給与明細 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
年末調整 | 〇 | 〇 | 〇 | △(別プロダクトあり) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
マイナンバー管理 | 〇 | 〇 | 〇 | △(別プロダクトあり) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
従業員情報管理 | 従業員リスト・住所変更など | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
申請ワークフロー | 〇 | 〇 | △(別プロダクトあり) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
組織分析・管理 | 従業員サーベイ・アンケート | ‐ | 〇 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | 〇 |
人事情報の集計・分析 | 〇 | 〇 | 〇 | ‐ | 〇 | 〇 | ‐ | 〇 | |
料金(月額)※税込 | 110,000円 + 440円/ID~ |
要問合せ | 400円/ID~ | 要問合せ | 初期費用+300円/ID~ | 300円/ID~ | 2,000円~ | 要問合せ(オプション) |
1分で分かる!
1. オフィスステーション労務
オフィスステーション 労務は、40,000社以上の導入実績を持つ信頼性の高いクラウド労務管理システムです。2万社を超える企業が利用し、継続率99.3%を誇ります。
従業員情報の一元管理やペーパーレス化、電子申請などを実現し、労務管理業務の大幅な効率化をサポートします。また、他社システムとのAPI連携が可能で、既存の給与・勤怠ソフトとスムーズに統合することも可能です。
手続きの電子申請が可能で、作業はわずか5分程度で完結し、紙による手作業で発生しがちな人的ミスを最小限に抑え、業務の迅速化を実現しますe-Gov完全対応のため、政府への各種申請も簡単に行うことができます。
サポート体制も充実しており、導入から運用まで安心して利用できる点も魅力です。
2. SmartHR
SmartHRは、株式会社SmartHRが提供するクラウド型の労務管理と人事管理システムです。業務効率化を図り、5年連続でシェアNo.1を誇る信頼性の高いソフトウェアです。
雇用契約や入社手続きなどの書類をペーパーレスで処理し、従業員情報を自動で蓄積します。年末調整やWeb給与明細などの労務手続きにも対応し、外部サービスとの連携も容易です。
SmartHRの特徴は多岐にわたり、ペーパーレスによる従業員情報管理や自動的な社員名簿の最新化など、業務の合理化と効率化を実現しています。
担当者の負担軽減や正確な情報の確保が可能です。また、年末調整や給与明細などの労務手続きもウェブ上で完結し、従業員本人が情報を入力するため、正確性が向上します。
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3. ジョブカン労務HR
ジョブカン労務HRは、株式会社Donutsが提供するクラウド型の労務管理システムで、労務業務を自動化・効率化することができます。
従業員情報はクラウドで一元管理し、社会保険・労働保険の手続きは帳票作成から提出までサポートします。
また、人事異動や在留資格、過去の手続きなどの履歴を保存・管理が可能で、入退社の手続きで発生する帳票を自動作成できます。そのまま電子申請(e-govなど)できるので、役所へ行かなくても手続きを完了できます。
さらに、労働条件通知書や雇用契約書など、WordやExcelで個別作成している書類をジョブカン労務HR上の事業所・従業員情報が自動で反映された形で簡単に作成できます。
また、作成した書類は電子契約にも対応しているので、書類の作成から契約締結まで全てオンライン上で完結できます。
4. マネーフォワードクラウド人事管理
マネーフォワード クラウド人事管理は、株式会社マネーフォワードが提供する人事管理システムです。
ペーパーレスで従業員情報の収集と管理を行い、給与計算や勤怠管理、社会保険申請などのサービスと連携することで、入退社や異動時の転記作業を削減します。
クラウド上で従業員情報を収集・管理することでペーパーレス化を実現し、従業員と組織情報を一元的に管理できます。
各種ソフトとのデータ連携により、転記作業をゼロに近づけることが可能です。APIで他システムと連携も可能です。ペーパーレス化と転記作業の削減で、人事労務業務が大幅に効率化されます。
5. ジンジャー人事
ジンジャー人事は、jinjer株式会社が提供するクラウド型の人事労務システムで、人事領域のペーパーレス化や業務効率化が可能です。
従業員情報として管理したい項目や各種業務のテンプレート、権限も柔軟にカスタマイズ可能です。
また、従業員の部署・役職・業務内容などを自動で時系列ごとにまとめるため、タイムライン形式で各従業員の経歴を確認できます。
入社手続きに関しても、従業員にメールなどで入社手続きに必要な項目入力ができるURLを送り、従業員がWeb上で回答するだけで情報登録が完了します。書類作成・回収の手間を削減できるほか、転記ミスを防ぐこともできます。
6. KING OF TIME
KING OF TIMEは、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供するクラウド型の勤怠管理システムです。
KING OF TIMEでは、PCでの無償打刻から顔認証、指紋認証、ICカードなど多彩な打刻方法を選択できます。オフィスでの出退勤はICカードを使用し、外出中にスマートフォンで退勤打刻するなど、環境に合わせた打刻方法の組み合わせが可能です。
KING OF TIMEは誰でも簡単に使えるわかりやすい操作感を特徴としています。
シンプルで使いやすい画面構成で、初めてのユーザーでもストレスなく利用できます。また、パソコンが苦手な方や紙のタイムカードを使用していたユーザーも、簡単に移行できるよう設計されています。
7. freee人事労務
freee人事労務は、クラウド上で簡単に人事労務の事務作業を効率化するソフトウェアです。
このソフトウェアを利用することで、従業員情報の登録だけでなく、給与計算や書類作成などの労務作業を自動化できます。これにより、時間と手間を節約しつつ、正確な処理が可能です。
freee人事労務では、給与計算ソフトとしても機能し、税金や社会保険の知識がなくても利用できます。従業員は勤務時間をシステム上で打刻し、その情報をリアルタイムで給与額の計算に反映させることができます。また、シンプルな操作方法で、いつでもどこからでもアクセスできるクラウドソフトとして利用できます。
freee人事労務は、多彩な機能を提供し、給与計算から社会保険料の計算、給与振込の効率化まで幅広い人事労務業務をサポートします。
ソフトウェア内で給与計算や勤怠管理、社会保険料の計算、給与明細の作成、給与振込の効率化などの機能が統合されており、煩雑な業務を効率的に行えます。
具体的な機能として、給与計算、勤怠管理、社会保険料や税金の計算、有給管理などがあります。さらに、給与明細の作成や電子化、月額変更届の作成など、人事労務に関連する様々な業務を網羅しています。
8. タレントパレット
タレントパレットは、あらゆる人材データを一元化・分析し、組織の力を最大化させるタレントマネジメントシステムですが、オプションとして、入退社手続き、雇用契約書の作成、年末調整、マイナンバー管理などの労務管理機能も備えているため、労務管理の業務効率化・ペーパーレス化も実現可能です。
ご質問やご相談など何でもお気軽にお問い合わせください。
なぜ労務管理クラウドサービスが必要?
労務管理クラウドサービスが必要な理由は、従来の手法に比べて効率性と正確性が向上するからです。
従来の労務管理では、Excelや紙の書類を使い、メールや郵送で情報をやり取りしていました。この方法では情報収集に時間がかかり、書類に不備がある場合は、手戻りの手間が生じます。手入力や転記によるミスも発生しやすい課題がありました。
クラウド型の労務管理システムでは、インターネットを介してWeb上で必要な情報を一元管理できます。従業員はPCやスマホで情報を入力し、システムが自動で集約して書類を作成できるため、郵送や印刷などの手間が省けます。
労務管理クラウドサービスは業務プロセスの効率化とミスの軽減につながります。
労務管理クラウドサービスのメリット
労務管理クラウドサービスのメリットは、業務プロセスの効率化と作業負担の軽減です。
労務管理システムを導入することで、迅速かつ効率的な書類作成が可能です。従業員が自身の情報を入力することで、記入漏れや転記ミスを防ぎ、労務管理担当者の作業負担を軽減します。
クラウドシステムのため、テレワーク環境でも手続きが行いやすいこともメリットの一つです。
入力された情報をもとにシステムが帳票を自動作成するため、保険加入や年末調整などの書類作成作業も省力化されます。従業員情報が蓄積されることで、人事データの構築や分析も可能です。
また、労務管理クラウドサービスは役所への申請手続きを簡素化します。電子申請に対応しているシステムならば、役所への書類提出や申請手続きがオンライン上で行えるため、役所への訪問や書類提出の手間が省けます。
労務管理クラウドサービスのデメリット
労務管理クラウドサービスのデメリットは、インターネット接続が必要であることです。自社ニーズに合わせたカスタマイズが制限される点も挙げられます。
インターネット接続が不安定な場合や、速度が遅い環境では労務管理ソフトの利用が制限されます。提供される機能は決まっており、自社の要求に合わせてカスタマイズすることが難しいため、自由度が低くなります。
クラウド型の労務管理ソフトをカスタマイズしたい場合は、専門の開発業者への依頼が必要です。サービス提供会社によって機能や料金、サポートが異なるため、導入前に比較検討が必要でしょう。
その他のデメリットとしては下記が挙げられます。
- システムトラブルによる使用不可
- 不正打刻への対応
- 労働基準法違反のリスク
- 他のシステムとの連携の制約
- 従業員の働き方に合わせた運用が難しい
労務管理クラウドサービスの選び方
労務管理クラウドサービスを選ぶ際には、業務の明確化やシステム連携、サポート体制の充実を考慮する必要があります。
業務を明確化し、必要な機能を洗い出すことが重要です。従業員の情報入力や電子申請への対応、健康保険への対応など、ニーズに応じた機能を備えたサービスを選びましょう。
既存のシステムとの連携も重要です。勤怠管理や給与計算システムなどとの連携がスムーズかどうか確認しましょう。
サポート体制も重要な要素です。システム障害が発生した際に迅速な対応ができるかどうかは、業務に直結するため重要です。
代表的なサポート内容は下記があります。
- 電話やチャット
- メールでのサポートや初期設定の代行
- 説明会やセミナーの開催
サポート内容は各サービスによって異なります。平日のみの対応や受付時間の制限も考慮すべきです。
労務管理クラウドサービスを選ぶ際には、サポートが充実している製品を選ぶことが重要です。月末や決算期など、業務に影響が大きいタイミングでのサポート体制の確認も忘れずに行いましょう。
労務管理クラウドサービスの導入
労務管理クラウドサービスを導入する際には、下記のステップで行われます。
- 導入目的を明確にする
- 導入形態を決める
- 従業員に使用方法を周知する
- テスト運用を行い、自社に合うか、システムのサポート範囲を確認する
- 勤務区分、計算ルールなどの設定仕様書に基づき設定する
- 申請・承認の動き、アラートのお知らせ方法などの使いやすさを確認しながら調整する
- 設定が完了した段階で、テスト稼働を実施する
- 過去の勤務表情報との照合テストを実施し、結果を報告する
- 給与システムとの連携テストを実施する
まずは導入目的を明確にし、その後導入形態を決めることが重要です。従業員に使用方法を周知し、テスト運用を行い自社に適合するかどうか、システムのサポート範囲を確認します。
次に、勤務区分や計算ルールなどの設定を行い、その後は、申請・承認の動作やアラートの使いやすさなどを確認しながら調整を行います。
設定が完了した段階でテスト稼働を行い、過去の勤務表情報との照合テストを実施し、給与システムとの連携テストを行います。
導入後は、システムの運用や利用状況のモニタリングを行いながら、必要に応じてシステムを改善していくことが重要です。
労務管理クラウドサービスの注意点
労務管理クラウドサービスを導入する際には、セキュリティ面に注意する必要があります。システムは従業員の個人情報を保管しているため、適切なセキュリティ基準を満たしたシステムを導入することが重要です。
JIS Q 15001認証の個人情報保護システムやマイナンバーを暗号化するシステムなど、自社のセキュリティ基準に合致したシステムを選定しましょう。
また、社内のセキュリティ体制も整える必要があります。従業員がデータを持ち帰ったり外部で情報を漏洩させたりする可能性があるため、従業員のセキュリティ意識向上が必要です。
データの持ち出し禁止や外部への情報漏洩防止策を定め、従業員に遵守させる取り組みを行いましょう。