電子申請と電子証明書の関係とは

 公開日:2021年7月11日

2020年、新型コロナウイルス感染拡大の懸念よりテレワークがこれまでよりいっそう強く推奨されてきました。
その際、ニュースでも大きく取り上げられたのが官庁での「捺印」についてです。
しかし、それは行政に限らず、民間企業の多くでもテレワークの足枷となっていて、どこかしら共感する部分があったのではないでしょうか。
実は、そんなニュースが出る少し前の2020年1月に「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」と呼ばれる法律が改正施行されました。
そのこと自体、あまり知られていないかもしれません。
通称「デジタルファースト法」、この法律により行政が「紙でもデジタルでも」という前提から「紙ではなくデジタルを優先する」という方向へ転換したといわれています。
人事業務に携わる皆様においてもより一層、デジタル化への対応が迫られるのではないでしょうか。
そこで今回、人事業務と特に関係の深いe-Gov、eLTAXといった電子申請や電子署名とは何かを中心に語句を丁寧に整理しながら記事を進めてさせて頂きます。
皆様にとって少しでも理解を深めるものになれば幸いです。

デジタル化と電子化に違いはあるのか

ところでデジタルファースト法が促す「デジタル」、これはいったい何でしょうか。
肝となるは情報です。
デジタルの対義語はアナログですが、アナログの場合、情報を紙に書き写すか、出力したデータを印刷することなどを指します。
そして紙に書いてある情報を元に上職者が審査したり、従業員が共有したりするのです。
デジタルとはそうした審査や共有などといった手続きをすべてインターネット上で処理する手段を指しています。
同時に紙へ手書きする場合と異なり、パソコンやスマートフォンは電気が必要です。
電気がなければインターネットも出来ない(閲覧できない)という意味で、デジタル(デジタル化)と電子(電子化)はほぼ同じ意味で使われています。
デジタルファースト法の趣旨はデジタルでの行政手続きを優先することです。
つまり、紙ベースの情報をデジタル化(電子情報へ置き換えを)することで、行政に関わる事務処理業務を楽にするという狙いがあります。

行政手続きの電子申請とは

これまでの行政に関わる手続きが電子申請に置き換われば、行政だけでなく民間企業においても事務処理業務が簡素化されることが予想されます。
なぜなら、様々な所轄府省庁へ足を運ばずとも処理できてしまうからです。
この各府省庁への行政手続きを取り扱うポータルサイトがe-Govです。
e-Gov電子申請とは、e-Govを用いた行政手続きとなります。
また、e-Govとはelectronic government(=電子政府)の略称ですが、この電子政府が提供するサービスの総称と理解して問題ありません。
しかし、e-Govはまだ完全な一元管理まで至っておらず、電子申請を利用する所轄府省庁で別途提供しているサービスがあります。
そのひとつがeLTAXです。eLTAXは地方税の電子申請を対象としたポータルサイトですが、同じように国税の電子申請を対象とするe-Taxというポータルサイトもあります。
ちなみにeLTAXのLはLocal(「地方」、の意味)の頭文字ですので、そのように理解すると区別しやすいかもしれません。
尚、人事業務においてはe-Gov電子申請で社会保険、雇用保険関係の届け出や変更が、eLTAXで特別徴収税の納付が可能です。

電子証明書&電子署名とは

行政手続きにおいて内容だけでなく、誰が申請したかも重要な点です。
これは書面にせよ電子申請にせよ、改ざんやなりすましといった悪意ある第三者が存在する可能性があるためです。
書面の場合、登記と同時に印鑑届を提出し、印鑑カードを交付されていませんでしょうか。
印鑑カードは印鑑証明書を発行するためのカードです。
電子申請においても考え方は同じで、書面における印鑑証明書に相当するものが電子証明書になります。
尚、この点を非常に分かり難くさせているのが「電子署名」という表現です。
最初に「電子署名」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべたでしょう。
書面同様、液晶の画面上にサインする、そういったイメージではありませんか。
たとえば「歌を歌う」や「旅行に行く」のような表現に近く、「電子証明書で電子署名する」、些か変な表現ですが、行政手続きや法律上、「誰が」をはっきりさせる有効手段が「電子証明書」であるため、そのような表現があり得てしまうのです。
書面では、法律上、効力を有するのは、印鑑ではなく署名ですので、そのような「電子版の効力を発揮する方法」と理解した方がいいかもしれません。

電子署名の使い方とは

前述の通り、電子署名として使うものは電子証明書です。
そしてそれは文字通りインターネット上、客観的に当事者であることを証明することを意味します。
では実際、電子証明書を使うには何が必要となるのでしょうか。
それは書面の場合同様、申請です。
電子証明書を取得する手順は以下になります。

1) 法務省ホームページ内にある「商業登記に基づく電子認証制度」のページより
 「商業登記電子認証ソフト」をダウンロード
2) ダウンロードした後、ソフト内にある「鍵ペアファイル及び証明書発行申請ファイル」 を作成(作成が済むと鍵ペアファイルと証明書発行申請ファイルに分かれ、証明書発行申 請書のプリントアウトが可能に)
3) 電子証明書発行申請書をプリントアウトし、管轄登記所に届け出ている印鑑を押印、発行手数料分の収入印紙を貼付
4)3)とCD-RもしくはUSBメモリへ格納した証明書発行申請ファイルとともに管轄登記所  へ申請
管轄登記所にて電子証明書の発行が完了したら「電子証明書発行確認票」というA4サイズの書面を受領して初めて電子証明書の取得が可能になります。
尚、電子証明書を取得する際には  2)で作成した鍵ペアファイル、設定した鍵ペアファイルのパスワード、電子証明書発行確認票にあるシリアル番号の3つが必要になります。
その後、この取得した電子証明書を元にようやくe-GovやeLTAXといった人事業務へ活用できるようになるのです。

まとめ

通称デジタルファースト法の改正施行と新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点により、これまで進捗が滞っていた電子申請による行政の様々な手続きが急ピッチに変化する予兆が出ています。

しかしながら、複雑な用語と発展途上のシステムの中で、分からないことが増え、業務効率が低下したと感じている人事総務ご担当者の方も多いかもしれません。
COMIT HRでは、行政側に対応速度を揃えなくてはならないものと能動的かつ迅速にシステムへ変化を及ぼせるものと整理し融合させながら、お客様にとって何が事務処理業務を楽にするのかを支援する存在であります。
電子申請や電子署名においても、きめ細かく整理して使い方をフォローしてこそ、はじめて効率化に結び付くのではないかと考えています。

もし電子申請や人事業務についてお悩みを抱えている際は是非気兼ねなく、COMIT HRまで御連絡ください。

記事監修者

COMITHR導入コンサルタント 五十嵐 薫

新卒入社後、COMITHRの導入メンバーとして、日々、多数のクライアントの人事・労務の業務分析、課題解決に取り組む。

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