給与計算ソフトの種類は大きく分けて5つあります。給与計算ソフトは、給与計算や年末調整、社会保険などの業務を自動化するツールです。
給与計算ソフトの機能には下記があります。
- 勤怠データとの連携
- 複雑な税の計算
- 給与明細のデジタル化
- マイナンバー管理
給与計算ソフトの導入により、業務効率化とリスク回避が実現できるでしょう。
この記事では「給与計算ソフトの導入を検討している」「給与計算ソフトを比較して検討したい」と考えている方に向けて、給与計算ソフトの種類や導入のメリット・デメリット、ソフト選びのポイントなどを紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
給与計算ソフトの種類は?
給与計算ソフトには大きく分けて下記5つのタイプがあり、特長やメリット・デメリットは次のとおりです。
種類 | 利用方法 | メリット | デメリット | 適している企業 |
クラウド型 | インターネット上で利用 | 低コスト、柔軟なスケール調整、リモートワークに適用 | インターネット接続が必要、ネットワークトラブルのリスク | 中小企業、リモートワーク企業 |
インストール型 | PCにソフトウェアをインストールして利用 | 高いセキュリティ、大規模対応、カスタマイズ可能、既存システムと連携 | 高い初期費用、社内リソースの確保が必要 | 大企業、高セキュリティ企業 |
オンプレミス型 | 自社のサーバーにインストールして利用 | セキュリティが高い、低価格での運用が可能、他のシステムとの連携がしやすい、カスタマイズ性が高い、インターネット接続の有無にかかわらず利用できる | 高い初期費用、運用の社内リソースが必要 | 大企業、自社ネットワークを構築している企業、システムに詳しいIT人材がいる企業 |
ハイブリッド型 | クラウドとオンプレミスの組み合わせ | 柔軟な選択肢、一部データをクラウドで管理 | 複雑な運用、管理が必要 | 中~大企業、カスタマイズ要件あり |
ERPタイプ | 統合的なシステムで利用 | 業務統合、一元管理、多くの業務に対応 | 導入にコストと時間がかかる、トレーニングが必要 | 大企業、統合と効率化を追求する企業 |
クラウド型ソフトは導入とアップデートが簡便で、経理業務を大幅にサポートします。
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1. クラウド型給与計算ソフト
クラウド型給与計算ソフトは、インターネットを通じて情報を入力し、利用する計算ソフトのひとつです。クラウド型の特徴は、導入のコストと手間が軽減され、柔軟なスケール調整が可能になることです。
クラウド型はインターネット接続が必須で、ネットワークに障害が起きた際に機能しなくなるリスクがあります。インターネット環境があれば、どこからでもアクセスが可能なため、中小企業やリモートワークを採用する企業に適しています。
クラウド型の給与計算ソフトの特徴は下記のとおりです。
メリット | 低コスト
柔軟なスケール調整 リモートワークに適用 など |
デメリット | インターネット接続が必要
ネットワークトラブルのリスク など |
適している企業規模 | 中小企業
リモートワーク企業 |
代表的なソフト | ジョブカン給与計算
マネーフォワード クラウド給与 ジンジャー給与 COMPANY PCAクラウド 給与 給与奉公クラウド フリーウェイ Workcloud |
2. インストール型給与計算ソフト
インストール型給与計算ソフトは、PCに専用のソフトウェアをインストールして利用する方式です。
インストール型のメリットは、高いセキュリティの確保と、小規模から大規模の企業まで対応可能です。柔軟なカスタマイズが可能で、既存のシステムとの連携が比較的容易な特徴を持ちます。
初期費用が他の種類の給与計算ソフトと比較して高くなり、運用のために社内リソースを確保する必要があり、負担となることも考えられます。
大企業や、高いセキュリティ要件がある企業に適しています。セキュリティの確保と柔軟性を重視する場合、インストール型給与計算ソフトがおすすめです。
インストール型の給与計算ソフトの特徴は下記のとおりです。
メリット | 高いセキュリティ
大規模対応 カスタマイズ可能 既存システムと連携 など |
デメリット | 高い初期費用
社内リソースの確保が必要 など |
適している企業規模 | 大企業
高セキュリティ企業 |
代表的なソフト | やよいの給与計算
かるがるできる給料 Cells給与 EXPLANNER/S 給料王 |
3. オンプレミス型給与計算ソフト
オンプレミス型の給与計算ソフトは、会社にサーバーを設置して導入するタイプです。自社のサーバー環境にソフトウェアをインストールして利用します。
オンプレミス型の特徴には、高いセキュリティ、大規模なスケールへの対応、柔軟なカスタマイズ、既存システムとの連携が容易であることが挙げられます。
初期費用が高く、社内リソースの確保が必要な点を導入の際には注意しましょう。大企業や高いセキュリティ要件のある企業に向いています。
オンプレミス型の給与計算ソフトの特徴は下記のとおりです。
メリット | セキュリティが高い
低価格での運用が可能 他のシステムとの連携がしやすい カスタマイズ性が高い インターネット接続の有無にかかわらず利用できる など |
デメリット | システム構築費用・初期費用が高額 など |
適している企業規模 | 従業員数が1,000人を超える企業
自社ネットワークを構築している企業 システムに詳しいIT人材がいる企業 工場や物流拠点など現場労働者が多い企業 |
代表的なソフト | MJSLINK DX給与大将
人事労務管理パッケージ TimePro-NX PCA給与DX |
4. ハイブリッド型給与計算ソフト
ハイブリッド型給与計算ソフトは、クラウド型とオンプレミス型の要素を組み合わせたものです。
ハイブリッド型の特徴として、アナログとデジタルの両方に対応し、各種書類作成や明細書の電子化など、幅広い企業のニーズに対応できます。
アップデートに対する香辛料も不要で、常に最新のプログラムが利用できることもメリットでしょう。
個人事業者から中規模企業の給与計算に幅広く利用でき、クラウド側の操作を必要としない簡単操作で番号登録も可能です。企業にとって柔軟な選択肢を提供します。
ハイブリッド型の給与計算ソフトの特徴は下記のとおりです。
メリット | 柔軟な選択肢
一部データをクラウドで管理 など |
デメリット | 管理が複雑 など |
適している企業規模 | 中小企業
個人事業主 |
代表的なソフト | ShiftMAX
RoboRoboペイロール 給与奉行 一楽三兄弟 やよいの給与明細 オンライン |
5. ERPタイプ給与計算ソフト
ERPタイプの給与計算ソフトは、給与計算だけでなく、企業全体の情報管理と連携が可能なシステムです。ERPは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」や「統合業務システム」と訳されます。
ERPタイプは、企業全体の情報を一元化し、給与計算を効率化できます。給与計算に必要なデータを他の業務と連携させ、リアルタイムでデータを共有でき、情報の重複入力や不整合を減少させ、生産性向上を実現しますが、導入には一定のコストと時間がかかります。
運用にはシステム管理者や、従業員が習得するためのトレーニングが必要です。大規模な企業や組織に向いており、専門知識とリソースを持つ企業に最適です。
ERPタイプの給与計算ソフトの特徴は下記のとおりです。
メリット | 企業の基幹業務を統合的に管理できる
社内の制度変更や運用変更にスピーディに対応可能 追加コストがかからない 給与計算以外の機能を搭載している など |
デメリット | 人的リソース
学習コストが必要 など |
適している企業規模 | 給与計算以外にも効率化したい業務が複数ある企業
専門知識とリソースを持つ企業 |
代表的なソフト | マネーフォワード クラウド
スマイルワークス給与ワークス 人事労務freee など |
人事・給与システムの移行や給与アウトソーシングをご検討されている方のために、
COMIT HRのサービス概要と導入事例を解説しています。
クラウド型給与計算ソフト8選と比較
代表的なクラウド型給与計算ソフトには下記の8つがあります。
1. ジョブカン給与計算
ジョブカン給与計算は株式会社DONUTSが提供する、給与計算に特化したクラウド型のソフトウェアです。
企業が求める給与計算のニーズに応えるために設計されており、年末調整やマイナンバー管理などの要求に対応できます。
特徴 | 社労士監修による豊富な機能
他のジョブカンシリーズとの連携 無料かつ回数無制限のサポート |
向いている企業 | 勤怠やワークフローなどを一括管理したい企業
従業員ごとに支給項目が異なる課題を抱える会社 |
導入している企業 | 株式会社WACUL
株式会社テレビ朝日 医療法人 敬愛会 株式会社ネクストリンク など |
2. マネーフォワード クラウド給与
マネーフォワード クラウド給与は、給与計算に特化したクラウド型のソフトウェアです。使いやすさを重視して開発されており、5つの設定項目だけで給与計算を開始できます。
画面は、直感的で使いやすく初心者でも分かりやすいため、給与計算に不慣れな人にも利用できます。業界最多クラスの外部サービスと連携できるため、多様な業務ニーズに対応できるでしょう。
特徴 | 給与計算から振込、明細発行まで全てをクラウドで完結できる
複雑な保険料税金の計算を自動化できる 勤怠管理や人事サービスとの連携ができる 給与明細の項目や給与の計算式などを細かくカスタマイズできる いつでもパソコン・スマートフォンで書類の確認ができる |
向いている企業 | 他のシステムと連携したい
予算に制限があるがシステムを導入したい セキュリティやサポートを重視したい |
導入している企業 | 株式会社TENTIAL
株式会社ヴァル研究所 株式会社KOLテクノロジーズ バルス株式会社 など |
3. ジンジャー給与
ジンジャー給与は多くの大手企業で導入され、給与計算を効率化する優れたソフトウェアです。ジンジャーシリーズ内での情報連携が円滑で、シンプルな操作と低コストにより、初めて導入する企業にも適しています。
ジンジャーシリーズは、給与計算だけでなく、勤怠管理や経費精算など、同社のシリーズとの簡単な連携が可能です。従業員情報は自動で連携され、常に最新のデータが反映されます。
特徴 | 操作が簡単
給与計算や月変算定を効率化 給与の自動計算 従業員の人事情報や勤怠情報と自動で連携 など |
向いている企業 | 勤怠や給与の管理に複数のシステムを使用している企業
データが散らばっている企業 現在使用しているソフトウェアに互換性がない企業 など |
導入している企業 | ソフトバンク株式会社
株式会社ファクトリージャパングループ 株式会社縁グループ など |
4. COMPANY
COMPANY給与計算は、クラウド型の給与計算から人事管理まで網羅的にサポートするソフトウェアです。入社から退社までの労務管理をデジタル化し、大手法人向けの統合人事システムとして提供されています。
COMPANY給与計算は、多様な業界と組織に対応し、労務管理の効率化と情報の一元管理を実現します。
特徴 | 大手法人向けのクラウドベースの労務管理ソリューション
さまざまな業種や業態に必要な機能を「標準機能」として提供 社会保険や福利厚生などの情報を一元管理できる |
向いている企業 | 大企業や自治体
公共機関 複雑な雇用や給与形態を持つ組織 など |
導入している企業 | 株式会社JERA
大塚商会 アマノビジネスソリューションズ など |
5. PCAクラウド 給与
PCAクラウド 給与は、給与計算ソフトの分野で印象的な実績を持つクラウドベースのソリューションです。10年以上にわたり、20,000法人以上に導入されています。
給与計算から賞与計算、月額変更届の作成、年末調整まで、幅広い業務に対応し、給与計算プロセスをスムーズに実行できるでしょう。
電話、リモート、メールなど多様な方法でのサポートサービスも提供しています。
特徴 | 複雑な給与計算にも対応
支給と控除の計算を自動化 100以上の給与項目設定 多様な雇用形態に対応 バックアップ・リカバリ機能 マイナンバー専用管理ツールを提供 など |
向いている企業 | 中小企業 |
導入している企業 | 株式会社読売広告社
株式会社エフアンドエム 株式会社ワークマン アイシス株式会社 など |
6. 給与奉公クラウド
給与奉公クラウドは、給与計算に特化したクラウド型ソフトウェアです。企業の給与担当者だけでなく、社労士などの労務の専門家にも信頼されています。社労士や弁護士とのやり取りを効率化し、社会保険の手続きを一元化することを目指す方におすすめです。
給与奉公クラウドは、オンプレミス型からのシステム移行が容易であり、社労士や税理士の直接代行も可能です。社会保険や労務保険の手続きを簡単かつ正確に行える点が魅力といえるでしょう。
特徴 | 給与業務をデジタル化
給与計算の自動化機能が搭載 最新プログラムと自動バックアップ 明細配付業務 社外の専門家との連携強化 など |
向いている企業 | セキュリティ面で安心できる計算ソフトを使いたい企業
自社でサーバーの管理やセキュリティ対策をおこなうのに苦労している企業 多くの子会社や関連会社を抱えるグループ企業 など |
導入している企業 | 株式会社アクワイア
朝日新聞倉敷販売株式会社 株式会社やまひろ 花の舞酒造株式会社 株式会社ビーエスフジ 株式会社上田組 株式会社サンテクノス 羅臼漁業協同組合 株式会社カオナビ など |
7. フリーウェイ
フリーウェイの特徴は、高いコストパフォーマンスと使いやすさにあります。初心者でも扱いやすいため、給与計算の自動化を低コストかつ手軽に導入したい企業に適しています。
フリーウェイの使い勝手はシンプルで設定も簡単です。5人までの企業にとっては全てのサービスが永久無料で提供されるため、コスト面でも魅力的でしょう。
初期費用はゼロ円で、お試し無料期間も提供されているため、導入に向けたトライアルも気軽にできます。
特徴 | 従業員5人以下の場合は無料で利用できる
社会保険や税金など基本的な給与計算機能がある 給与明細書のメール送信 インターネットバンキングへのデータ出力 年末調整・マイナンバーへの対応 1年分の総支給金額や控除額など自動計算 さまざまな支払調書の出力対応 WEB給与明細の発行・送信 など |
向いている企業 | 小規模企業
個人事業主 少人数で効率的な給与計算を実現したい企業 など |
導入している企業 | 株式会社越佐ロード
有限会社竹隆庵岡埜 など |
8. Workcloud
Workcloudは、Ceridian Dayforce Japan株式会社が提供するクラウド型給与計算ソフトです。給与計算から勤怠管理までを効率的に実行できます。システムの導入だけでなく、企業の課題や状況に合わせた業務の最適化も提供します。
特徴 | 企業規定にあわせた給与、賞与計算設定
オンライン年末調整 ICカードの打刻連携 オンライン年末調整に対応 分かりやすいインターフェース 必要な提出書類はPDF出力可能 勤怠管理と給与計算を単一システムで実行 |
向いている企業 | 人事業務を一元管理したい企業
社内のペーパーレス化を促進したい企業 など |
導入している企業 | 株式会社WACUL
株式会社テレビ朝日 医療法人 敬愛会 株式会社ネクストリンク など |
ご質問やご相談など何でもお気軽にお問い合わせください。
インストール型給与計算ソフト5選と比較
代表的なインストール型給与計算ソフトには下記の5つがあります。
1. やよいの給与計算
やよいの給与計算は、やよいの給与計算22と弥生給与22の2つのバージョンがあります。異なる規模の企業に対応し、やよいの給与計算22は、約20名の小規模企業向けで、基本的な機能を備えています。
特徴には、シンプルな機能で初心者にも扱いやすく、スタートアップガイドが用意されていることが挙げられます。
特徴 | 専門知識が無くても始められる
機能がシンプルで操作しやすい カスタマーサポートの質が高い 専門知識が無くても始められる 機能がシンプルで操作しやすい カスタマーサポートの質が高い 最新の法律・制度に対応できる |
向いている企業 | 従業員数が20~100名の企業
給与計算業務担当が初心者 給与計算、管理を紙やエクセルで行っている企業 など |
導入している企業 | 株式会社ZIKICO
株式会社仁済 など |
2. かるがるできる給料
かるがるできる給料は、BSLシステム研究所が提供する給与計算ソフトです。社労士監修により、様々な賃金体系や法改正に対応しています。価格は業界最安基準で、保守サービスも提供されており、機能追加の際には上位のソフトにスムーズに乗り換えられます。
株式会社大和基礎設計や株式会社相模螺子など多くの企業に導入されており、その柔軟性と信頼性が評価されています。
特徴 | 必要な機能をわかりやすく配置したメインメニュー
業界最安基準のユーザーサポート 対応版プログラム提供で法改正にも対応 時給計算・時間外割増手当・日割通勤費などの金額が、各社員の設定に応じて自動的に計算される 社会保険料や所得税額も自動的に算出される |
向いている企業 | 小規模の企業
予算が限定的な企業 など |
導入している企業 | 株式会社大和基礎設計
株式会社相模螺子 など |
3. Cells給与
Cells給与は、社労士が開発した給与計算ソフトウェアです。Excelをベースにしており、複雑な計算式にも対応できます。計算に苦手意識がある場合でも、数式の作成サポートセンターを利用することで、スムーズな計算が可能です。
無料お試し期間が30日提供されているが、無料プランは提供されていない点に留意が必要です。
特徴 | シンプルでわかりやすい操作画面
事業に合わせて独自の計算設定ができる 顧問先に無償でCells給与を提供できる 遠隔ソフト体験デモなど購入前サポートも充実 |
向いている企業 | 全ての規模の企業におすすめ |
導入している企業 | 公開なし |
4. EXPLANNER/S
EXPLANNER/Sは、三信電気株式会社がリリースしたインストール型給与計算ソフトです。人事システムと給与システムを統合し、人事情報や社員の履歴情報など、広範なデータを一元管理することが可能です。
EXPLANNER/Sをクラウド化した三信給与リッチクラウドサービスを展開し、システム利用や法改正対応、データベース利用などを安価な価格で提供しています。
特徴 | 人事データを標準搭載した給与計算システム
勤怠管理など周辺システムとの連携で業務を効率化 顔認証システムや暗号化で安心なセキュリティ 勤怠管理システムやRPAツールとの連携も可能で人材の見える化をトータル支援 年末調整業務も支援しており、申請書の配布と回収、登録作業をスムーズに行える |
向いている企業 | 中規模企業
大規模企業 幅広い規模の企業におすすめ |
導入している企業 | 公開なし |
5. 給料王
給料王は、ソリマチが提供する個人事業主や中小企業向けの給与計算ソフトです。26年にわたるロングセラー商品で、給与情報の管理と共有が簡単におこなえます。軽量なインストール型の動作とクラウドの利便性を組み合わせ、ユーザーフレンドリーなソフトウェアとして高く評価されています。
特徴 | 充実した機能と使いやすさ
所得税や社会保険料の自動計算 勤怠管理や昇給計算、労働保険管理、年次有給休暇管理などの機能 銀行振込依頼書や金種表の印刷、給与所得の源泉徴収票、給与支払報告書等の法定調書合計表の作成 マイナンバーの印字に対応 全銀協フォーマット対応の振込データの出力 |
向いている企業 | 個人事業主
中小企業 |
導入している企業 | 有限会社スティングミュージック
株式会社紅粉屋 有限会社ギンガム・ジャパン 有限会社ランテック 森菊株式会社 株式会社江島 など |
オンプレミス型給与計算ソフト3選と比較
代表的なオンプレミス型給与計算ソフトには下記の3つがあります。
MJSLINK DX給与大将
MJSLINK DX 給与大将は、オンプレミス型のソフトウェアです。Webからデータを参照できるため、人事データと給与データの一元管理が可能で、柔軟にアクセスができます。
複雑な条件に基づく賞与計算や昇給差額計算が必要な場合や、従業員との連絡を最小限に抑えたい場合におすすめです。
MJSLINK DX 給与大将は、Excelシートの入力を連結することができ、複数の会社の給与計算を一括しておこなえます。
特徴 | 一時金計算や昇給差額計算ができるなど機能が豊富
Excelシートの入力を連結できる 複数会社の給与計算をまとめて実施できる |
向いている企業 | 中小企業
従業員が多い企業 雇用形態や給与体系が多様化している企業 など |
導入している企業 | 株式会社プレジャーサービス
東海ビジネスサービス株式会社 株式会社サンウッド など |
人事労務管理パッケージ TimePro-NX
人事労務管理パッケージ TimePro-NXは、就業、給与、人事、セキュリティなどを1つのシステムで統合的に管理できるオンプレミス型の人事労務パッケージです。給与情報や人事情報のスムーズな連携を実現し、業務の効率化をサポートします。
TimePro-NXの特徴は以下の通りです:
TimePro-NXは社会保険の電子申請も可能で、給与データの移行手間を軽減します。初期費用や料金プランについてはお問い合わせが必要で、無料お試し期間や無料プランは提供されていないようです。詳細は公式資料を参照してください。
特徴 | 給与明細をPDFに変換可能
多重チェック機能 ワンストップサービスのサポートを提供 就業・給与・人事・セキュリティを集約 使いやすさを追求 安心のサポート&保守 勤怠データの「見える化」 |
向いている企業 | 企業規模がある程度大きくなってきたフェーズの企業 |
導入している企業 | BIGLOBE biz.
スーパーストリーム株式会社 digi-mado.jp など |
PCA給与DX
PCA給与DXはオンプレミス型の給与計算ソフトです。APIを利用して他のシステムと連携できるため、自社に最適なシステムを構築することが可能です。
PCA給与DXは給与計算だけでなく、算定基礎届や年末調整など幅広い業務に対応できます。計算式項目が豊富であり、支給や控除の計算も自動化できます。
特徴 | 複雑かつ複数の業種・業務での給与計算に対応
計算式項目が豊富 支給・控除項目の計算が自動化 給与項目を自由に設定できる 有給付与計算機能 柔軟な連携対応が可能 わかりやすいインターフェース 環境やセキュリティ環境は自社で構築 複数名での処理がしやすい機能 |
向いている企業 | 給与ソフトを随時バージョンアップできる環境が必要な企業
業績の拡大によりグループ会社の数も従業員数も一気に増えた企業 |
導入している企業 | 赤坂木材株式会社
帯広ガス株式会社 株式会社 ブルーメイト 株式会社 エフアンドエム シャボン玉石けん株式会社 社会保険労務士法人 チアレッジ など |
御社の人事サービスコストを診断できます。
※所要時間1分
給与計算ソフトの導入メリットとデメリット
給与計算ソフトの導入には下記のメリット・デメリットが存在します。
メリット | デメリット |
法改正に対応できる | コストがかかる |
属人化を軽減できる | データ消失の懸念がある |
コア業務に専念できる | ソフトに慣れるまでに時間を要する |
雇用の多様化に対応できる |
給与計算ソフトの導入メリット
給与計算ソフトの導入には次のメリットがあります。
1. 法改正に対応できる
給与計算システムは、法令改正への対応がスムーズです。たとえば税制改正や社会保険料率の変更にも柔軟に対応します。労働基準法に基づいた給与計算仕組みも容易に導入でき、適応漏れからくる計算ミスを防ぎます。
- 属人化を軽減できる
給与計算ソフトの導入は、経理業務の属人化を防ぎます。給与計算業務は多岐にわたります。給与計算システムは複雑な計算業務を一元的に実施し、経理担当者の業務負荷を大幅に軽減するでしょう。
- コア業務に専念できる
給与計算ソフトが担当者の属人化を防ぐことで、人事や経理担当者がコア業務に専念できるメリットを持ちます。
給与計算ソフト導入により、企業の経営者や経理担当者は本業に集中できます。手作業からの解放により、戦略的な意思決定や業務の最適化に焦点を当てることが可能です。
- 雇用の多様化に対応できる
給与計算ソフトの導入は、雇用の多様化や、社員の入れ替わりの頻度が高い企業に適しています。 現代の雇用形態の多様化に対応し、正社員、契約社員、アルバイト、パートなど異なる雇用形態に合わせて給与計算が可能です。
給与計算ソフトの導入デメリット
給与計算ソフトの導入には次のデメリットがあります。
- コストがかかる
給与計算ソフト導入には、初期費用やランニングコストが発生します。これには導入費用やソフトウェアのライセンス料、定期的なアップデートやサポート料などが含まれます。特にクラウド型では定期的な利用料がかかりますが、インストール型の場合、一度の初期費用支払いでランニングコストが低く抑えられる場合があります。
- データ消失の懸念がある
クラウド型の給与計算ソフトでは、安定したインターネット接続環境が必須となります。一方、インストール型やオンプレミス型では、データのバックアップやセキュリティ対策をおこなう必要があります。データの不適切な保管や適切なバックアップがない場合、データの消失が起こる可能性があります。適切なデータ管理とセキュリティ対策が求められます。
- ソフトに慣れるまでに時間を要する
給与計算ソフトを導入すると、システムやインターフェースに慣れるまでに時間がかかることがあります。従業員にはトレーニングや教育が必要で、適切なサポートをおこなうことで移行をスムーズに進めることが重要です。
給与計算ソフト選びで注意すべき10のポイント
給与計算ソフトを導入する際に注意すべきポイントには次があります。
1. 機能性
給与計算ソフトを選ぶ際に注意すべきポイントの1つは機能性です。給与計算ソフトは、次の基本的な機能を備えていることが必要です。
- 給与の自動計算と一括振込
- 給与明細書の発行
- 法定料率変更の自動対応
- 年末調整の対応
- 法定三帳簿の作成
- マイナンバー管理
機能の充実は、給与計算ソフトが適切に業務をサポートするために重要な要件です。各給与計算ソフトにはさまざまな追加機能が含まれているため、バックオフィス業務に関連する機能も異なります。
自社のニーズにあった機能が提供されているかを確認しましょう。
2. 使いやすさ
給与計算システムの選択において、使いやすさは重要なポイントです。
使いやすさは現場の担当者にとって大きな影響を持ちます。複数のサービスで無料トライアルを利用し、実際の使い勝手を体験することをおすすめします。現場で使いやすい製品を選ぶことが、給与計算業務の効率化につながります。
3. 柔軟性とカスタマイズ性
給与計算ソフトを選ぶ際には、カスタマイズ性と柔軟性が重要です。
カスタマイズ性が高いソフトウェアは、異なる雇用形態や勤務シフトに対応できます。個別の給与計算要件にあわせて調整できるため、中小企業から大規模企業やグループ展開を行っている企業にも適しています。
たとえば、大規模企業では従業員数が300名以上で、各地に支店があり複数の場所で運用されている場合の給与計算業務が求められます。外部システムとの連携が容易で、高い連携性を提供している給与計算ソフトは要求を満たすことが可能です。
4. 統合性
給与計算ソフトの選択において、統合性は重要な要素の1つです。統合性は、複数のデータソースから収集されたデータを正確かつ完全に統合することを指します。
一つのシステム内で人事管理と給与計算を統合的に処理できる給与計算ソフトは、社員データ、金銭トランザクション、商品情報、その他の情報を1つにまとめ、統合的に管理する能力を備えています。
給与計算ソフトが外部システムと柔軟に連携できたり、勤怠管理システムや労務管理システムとの連携を提供したりすることも、統合性の特徴です。
5. スケーラビリティ
給与計算ソフトの選択に際には、スケーラビリティが重要な要素です。スケーラビリティとは拡張性を指します。企業の成長に伴い、従業員数や利用者が増加する可能性があります。
インストール型のソフトウェアは各端末にソフトウェアをインストールする必要があり、多人数で利用する場合、メンテナンスやアップデートに手間がかかることがあります。
クラウド型のソフトウェアは、従業員数によって料金が変動し、小規模な導入から始めて拡張しやすい場合もあります。
給与計算ソフトの導入を検討する場合、スケーラビリティを適切に考慮することで無駄なコストを回避できます。
6. コスト
給与計算ソフトの導入によって削減できるコストを検討しましょう。選択肢の中から、企業の予算とニーズにあった給与計算ソフトを選定することが重要です。
ソフトウェアの導入により、給与計算業務の自動化や簡略化が可能で、従業員の給与計算にかかる時間やコストを削減できます。
従業員に給与計算ソフトのトレーニングを提供する場合、トレーニングコストも考慮する必要があります。ソフトウェアの使い方を学ぶための時間とリソースを確保する必要があります。
7. セキュリティ
給与計算ソフトの選択においてセキュリティは重要な要素です。給与計算ソフトは従業員のマイナンバーや個人情報など機密性の高いデータを取り扱うため、十分なセキュリティ対策が必要です。
以下はセキュリティに関する考慮すべきポイントです。
データ暗号化 | 給与計算ソフトはデータを暗号化して保存し、不正アクセスから保護する必要がある。SSL/TLSなどのセキュアな通信プロトコルを使用することが重要。 |
アクセス制御 | システムへのアクセス権限を適切に管理し、必要なユーザーのみがデータにアクセスできるようにする。ロールベースのアクセス制御が役立ちます。 |
バックアップと復旧 | データのバックアップと災害復旧プランを確立し、データ損失やシステム障害に備えます。 |
セキュリティ更新 | ソフトウェアが最新のセキュリティパッチを適用し、脆弱性からの保護を確保します。自動更新機能をサポートするソフトウェアが選択肢として有益です。 |
クラウドセキュリティ | クラウドベースの給与計算ソフトを検討する場合、提供業者のセキュリティ体制を確認しましょう。クラウドプロバイダーが提供するセキュリティは信頼性が高く、コスト効率的です。 |
セキュリティ対策を怠らないことは、機密情報の漏洩やデータ侵害から企業を保護し、法的コンプライアンスを確保します。
8. サポート体制
給与計算ソフトの選択において、サポート体制は重要な要素の1つです。通常は、電話やメールなどのサポート体制を提供していますが、内容はソフトウェアによって異なります。
画面共有やリモートアクセスを提供し、専門アドバイザーを配置してサポートを提供している企業も存在します。時間帯や返信までの日数などを比較検討しましょう。
9. 法令遵守
給与計算ソフトは法改正への対応が確保されているかを確認することが重要です。社会保険料や税率などの法改正は、毎年のように変更されます。
手作業の場合、住民税や年末調整など、帳票や書類のレイアウト変更への対応が大変です。クラウド型の給与計算ソフトであれば、法改正のたびにバージョンアップなどのサポートが提供されます。
法改正に対応できるソフトウェアを選ぶことは、法的コンプライアンスを維持するために重要です。
10. 評判とレビュー
適切な給与計算ソフトウェアを選ぶには、同業他社や既存のユーザーからの評判やレビューを参考にしましょう。
他の企業や同業者がどのソフトウェアを使用し、どのような経験をしているかを知ることは、選択において有益です。
実際の利用者の声は、ソフトウェアの性能、信頼性、サポート品質、および運用上の問題に関する貴重な情報を提供してくれます。
評判やレビューだけを選ぶ要因にすることは避け、他のポイントと照らし合わせて全体像を把握することが重要です。
給与計算ソフト選びのステップ
給与計算ソフト選びを5つのステップで紹介します。
ステップ1: 企業の規模とニーズの把握
給与計算ソフトを選ぶ際、企業の規模やニーズ、自社の課題と必要機能を正確に把握することが不可欠です。企業の規模によってソフトウェアの選択肢が異なります。
小規模企業の場合
基本的な給与計算ソフトの場合はほとんどの要求を満たしてくれるでしょう。
中規模以上の企業
従業員数が増え、雇用形態や給与体系、複雑な手当の取り扱いなどが複雑化する中規模以上の企業では、人事労務管理や勤怠管理との連携がスムーズに行えるソフトウェアを選ぶことをおすすめします。
ステップ2: 必要機能の洗い出し
適切な給与計算ソフトを選択するために、自社にとって必要な機能を明確に洗い出すことが必要です。
給与計算ソフトには、以下のような機能が存在します。
給与の自動計算と一括振込 | 給与の自動計算や、給与の一括振込をおこなう機能 |
給与明細書の発行 | 従業員に対する給与明細書の発行機能 |
法定料率変更の自動対応 | 法定料率が変更された場合に自動的に対応できる機能 |
年末調整の対応 | 年末調整業務をサポートする機能 |
法定三帳簿の作成 | 法定の帳簿類を自動的に作成する機能 |
マイナンバー管理 | 従業員のマイナンバー情報を効果的に管理できる機能 |
勤怠管理、統計分析、Web給与明細、人事システムや勤怠管理システムとの連携機能など、組織の業務に合致する機能も重要です。
給与計算ソフトウェアの機能は提供サービスによって異なります。多機能な場合は通常有償となります。必要な機能とコストのバランスを考慮し、最適なソフトウェアの導入を検討しましょう。
ステップ3: サポート体制の確認
次のステップはサポート体制整備の確認です。給与関連の業務は、効率的かつ確実なサポートが求められます。
サポート体制には次の選択肢があります。
- メール
- 電話
- チャット
- 画面共有
- リモートアクセス
給与計算担当者にあったサポート方法が提供されているかを確認しましょう。
ステップ4: セキュリティの確保
ソフトウェアが十分なセキュリティ対策を備えていることを確認しましょう。
給与計算業務は、給与情報などの機密データを扱うためセキュリティの確保は極めて重要です。
セキュリティを考慮する際に注意する点は次のとおりです。
信頼できるベンダーの選定 | 信頼性の高いベンダーが提供するソフトウェアを選びセキュリティレコードを確認する。 |
適切なセキュリティ設定 | 選択したソフトウェアのセキュリティ設定を慎重に調整し、データへの不正アクセスを防ぐ。 |
定期的な脆弱性スキャンや不正アクセス対策 | ソフトウェアやデータの脆弱性を定期的にスキャンし、不正アクセスに対する対策を実施する。 |
ソフトウェアのサポート体制 | ベンダーが提供するサポート体制がセキュリティ問題に対処できるか確認する。 |
プログラムの自動更新 | ソフトウェアが自動的に最新のセキュリティパッチやアップデートを適用するかを確認する。 |
セキュリティの確保は、給与計算プロセスの信頼性とデータの安全性を確保するために不可欠です。
ステップ5: 費用対効果の検討
給与計算ソフトを選択するうえで、コストと効果のバランスを考慮することが重要です。自社のニーズにあった機能がソフトウェアに備わっているかどうかを評価しましょう。
適切な投資対効果を検討したうえで給与計算ソフトを導入してください。給与計算は長期間にわたる業務です。選択したソフトウェアが企業に与える影響を見極めるために、コストのシミュレーションが不可欠です。
システムの導入にかかる初期コストやライセンス料、その他の維持費用に加えて、給与計算効率の向上や他の業務への影響も考慮しましょう
大企業における導入事例
COMIT HRの導入事例を紹介します。
顧客概要 | 自転車チェーン(全国76店舗) |
従業員数 | 700名 |
委託替えの背景 | 給与業務の一部を社労士法人に委託していたが、限定的で自社に業務が残り、人事課長に負担がかかっていたため、委託を内製で対応することを決定。 |
効果 | – 社労士法人に委託していた業務と内製で対応していた業務を短期間で業務移管し、人事課長の負担を軽減。- 採用活動のマネジメントにシフト。 |
導入ポイント | 1. BPOとクラウド型人事SaaSシステムを使用し、業務の大部分を外部委託化。2. 既存のシステムを維持しつつ、最適なシステム構成を実現。 |
お客様の声 | – 人事課長 S様: “最初は価格で選びましたが、運用には大満足。今後も既存システムで手間がかかっている部分も一元化できるよう、引き続きお願いしていきたいです。” |
COMIT HRの導入により、BPOとクラウド型人事SaaSシステムを実現し、大幅な業務の外部委託化と最適なシステム構成を実現しました。
COMIT-HRの事例を紹介(SAPからジョブカンへのシステム移行ボタンを追加)
まとめ
給与計算ソフトウェアを導入することで、従業員の給与計算プロセスを自動化し、業務の効率化を実現できます。各ソフトウェアには異なる機能や特徴があり、自社のニーズにあった選択が重要です。
COMIT HRでは、ジョブカンとjinjerを提供しています。ジョブカンとjinjerの高いセキュリティレベルに準拠しているため、リスクへの懸念を軽減し、給与計算プロセスの円滑化と業務の合理化を実現します。
COMIT HRでは給与計算専門のBPOサービスを提供しています。月々の給与計算だけでなく、年末調整や住民税の対応、Webだけでなく紙での交付にも対応し、お客様のニーズに合わせた給与計算全般のアウトソーシングを承っています。
自社に最適な給与計算の業務フローを整えて効率化を推進したいとお考えの場合は、ぜひCOMIT HRにご相談ください。
ご質問やご相談など何でもお気軽にお問い合わせください。