グループ会社の人事制度統一において最初に着手した方がよいものとは?

 公開日:2021年7月13日

日本全国には現在約2000社ほど企業グループがあると言われています。
グループ会社間での転籍、出向なども一般的であり、異動してはじめてグループ会社では外部の全く異なるシステムを使っていることを知るケースも珍しくありません。
しかし、それが従業員の満足と結び付いていれば問題ありませんが、その逆、不遇や不満に結び付いていたらどうでしょうか。
企業とは従業員に社則に則って働いてもらい、報酬を支払うものであり、特に人事業務とはそうした従業員と待遇面と密接に関わるものです。
そこで記事内では、そんなグループ会社間にある人事制度はなぜ統一が難しいか、そしてこの先、人事制度のあるべき姿に触れさせて頂きます。
特に現在グループ会社を持つ企業や持株会社で人事業務に携われている方々にとって、これからの人事制度のあり方を探るきっかけになれれば幸いです。

グループ会社とは

ところで先に「グループ会社」について触れましたが、グループ会社とはいったい何でしょうか。
グループ会社とは親会社、子会社、関連会社も含めた「株式でお互い関係している企業」を指します。
子会社と関連会社の違いは親会社の株式取得率です。
親会社の株式取得率(持株比率)が子会社の場合、50%以上、関連会社の場合、20%以上50%未満となっております。
たとえばA社の関連会社であるC社は、別にB社とも関連があって、A社のグループ会社でありB社のグループ会社でもあり得るのです。
また親会社は子会社や関連会社の株式を持っているという意味で持株会社と呼ばれ、よく耳にするホールディングスは持株会社を指します。

どのようにグループ会社となったのか

ある企業は持株会社である親会社のグループ会社となったのですが、どのような手段でグループ会社になったのでしょうか。
その手段は必ずしも株式交換による取得だけに限らないのです。同じ企業でも異なる事業部同士で知らず知らずに競合していたり、同じ顧客への窓口が重複したりするケースはよくあるのですが、これは市場の変化に伴い、対応していた結果で往々にして起こり得ます。
当然それは機会、利益を相殺するので効率が悪いので、このとき事業を整理し別会社に分けることがあるのです。
これを「分社化」するといい、「子会社化」と区別して呼ばれます。
なぜならグループ会社になる手段が異なるからです。
分社化された企業は親会社(持株会社)の資産によって設立されます。
つまり、グループ会社であるものの、そこには株式交換がないのです。
ただ分社化、子会社化する経緯は様々にせよ、グループ会社になる背景には必ず事業拡大があります。
事業拡大には2種類あり、ひとつがある企業の規模が大きくなった場合、もうひとつが別の事業や企業を加え、多角化していった場合です。
前者が分社化であり、後者が企業買収や事業買収といった子会社化が該当します。
なぜそのような内容を取り上げたかというと、ここにグループ会社で異なる人事制度が介在する理由があるためです。

人事制度の統一を阻むものとは

ちなみにグループ会社でも関連会社の場合、親会社(持株会社)の発言権は子会社に対してほど影響力はありません。
正確には議決権比率で決まるのですが、グループ会社といえども、各々会社の特徴を有しているかどうかを抑えてほしいです。
ではそんな各々会社としての特徴を有するグループ会社でなぜ人事制度の統一が阻まれているのでしょうか。
その最たる障壁はグループ間の待遇格差(賃金体系の違い)です。
そしてそんな待遇格差の是正を拒む背景には就業規則とシステムの違いがあります。

要因1:就業規則の違い

親会社からある従業員がグループ会社へ派遣される場合、どのような扱いでグループ会社で勤務するのでしょうか。
それは出向か転籍であり、この明確な違いは「どの企業の就業規則に従い仕事をするか」です。
出向の場合は「親会社の就業規則に従う(働く場所だけがグループ会社に変更した)」のに対し、転籍の場合は「働く場所だけでなく、就業規則もグループ会社のものに従う」ことになります。
先に挙げた分社化した企業は元々ひとつの企業ですので、従業員は出向扱いです。
また管理体制も親会社の意向を反映させやすいため、統一感を保ちやすくもあります。

一方、子会社化した企業の場合、親会社とは異なる就業規則が存在するため、当然、雇用や勤務形態、給与体系といった労務面においてもより強い独自性があります。
つまりグループ間で人材交流を推進するにも条件を揃える必要があり、大きな障壁となるのです。

要因2:システムの違い

子会社化したグループ会社が企業によっては複数かつ異業種であるケースもあります。
グループ企業が多ければ多いほど、そうした企業によるシステムの違いが顕著になるのではないでしょうか。
たとえば各々異なる自社サーバーで管理し、システム管理会社も異なっているのであれば、グループ間での情報交換においても大変な労力を要するかもしれません。
人事制度見直す際にも共通ベースが異なるため、課題を浮き彫りにするのを困難にさせます。
課題が浮き彫りにできないため、親会社からまたグループ会社からといった人材交流の機会も減少し、グループ間での溝はますます深まってしまうかもしれません。
グループ全体で本来期待した相乗効果の足が引っ張る可能性すらあります。

まとめ

グループ会社とは本来グループで同じ目標に向かう集団であります。
お互いに期待しているのは各々の独自の強みであり、その良い影響です。
その融合を特に阻害するのはシステムの違いではないでしょうか。
なぜならシステムが共通化すれば、人材交流の機会が増え、就業規則の改善や人事制度の統一について検討する機会も増えるからです。
人材交流やお互いに良い影響を享受するためにシステムを共通化する、COMIT HRでは独自のフィットアンドギャップ分析の上、人事SaaSシステムを駆使し、より使いやすくグループ間を横断可能なものとし、人事制度統一の後押ししたく存じます。
その結果、グループ間で相乗効果(シナジー)を生み出すお役に立てたなら幸甚です。

もしグループ間での人事制度についてお悩みの際は、一度COMIT HRまでお問い合わせください。

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