従業員無断欠勤は、人事担当者にとって難しい問題のひとつです。ビジネスマンにとって無断欠勤はルールに反した行いです。しかし、事故や病気のためのやむを得ない欠勤も考えられるので、きちんとした事情確認が必要です。従業員無断欠勤では連絡が取れないケースや場合によっては退職になるケースも考えられます。今回はそんな従業員無断欠勤に注目し、概要と対応方法について解説します。
従業員無断欠勤とは
従業員無断欠勤とは、従業員が会社に連絡することなく休んでしまうことを指します。電車の遅延や事故などが起こり、従業員が業務開始時間までに会社に連絡が取れない状況などは、予期せぬ出来事が要因として仕方がないことでしょう。
一方で、明確な理由もなく無断欠勤を繰り返す従業員は、業務に支障をきたし会社にとって大きなマイナスになりかねません。
従業員無断欠勤の対処法
従業員無断欠勤が発覚した時に、まずやらなければならないのが状況確認です。なぜ従業員が無断欠勤をしたのか、理由を明確にします。具体的には、以下の方法で状況確認を行うのが一般的です。
・本人に電話する
・自宅に訪問する
・従業員の最近の様子、心と体の健康状態を調査する
・ハラスメントやいじめがなかったか調査する
・勤怠・残業時間をチェックする
本人と連絡がついて無断欠勤の理由が判明したら、その理由に応じて最適な対応を行います。たとえば、精神疾患が原因の場合は、従業員に対して医師の診断書の提出依頼をする必要も出てきます。また、ハラスメントやいじめ、過多な残業時間が見られた場合、企業として職場環境の改善に努めなければなりません。
無断欠勤した従業員と連絡が取れれば良いのですが、場合によっては連絡が取れないこともあります。そんな場合は、継続して電話をかけるとともに、メール、手紙、訪問などを実行し、その事実を記録しておくようにします。
従業員無断欠勤が続く状況で、その原因がハラスメントやいじめ職場環境など企業に起因したものや、精神疾患によるものでなく、無断欠勤の証拠もそろい、就業規定上においても退職に値する場合は、退職に向けた手続きに進むケースも出てきます。
退職届が送られてきた時の対処法
ここでは、無断欠勤していた従業員から退職届が送られてきた時と、退職に向けた手続きに進むケースの対処法について解説します。
①無断欠勤していた従業員から突然退職届が送られてきた場合
従業員から退職届が送られてきたら、即座に退職を承諾する承諾書を発行しましょう。承諾書を発行することで、従業員は退職意思の撤回ができなくなります。
②無断欠勤している従業員へ退職の手続きを進める場合
従業員無断欠勤の対応として、退職に向けて手続きを進める場合は、退職届を従業員に送ります。このとき一方的に退職届だけを送るのではなく、退職届を送るに至った経緯書などと一緒(または先に)に送るようにしましょう。また、退職届の提出期限と期限までに提出がない場合、いつ付けで退職とする旨の内容を記載した文章を同封しておくことも重要なポイントになります。
退職届を提出させることで、雇用契約終了に関しての労務トラブルが起きる可能性を押さえることができます。
まとめ
従業員無断欠勤は、事故や病気のためのやむを得ない場合や従業員本人に問題点がある場合以外に、職場環境やハラスメントを要因とする場合も考えられます。従業員無断欠勤が起こってしまった後の対応を理解しておくことが重要である一方で、従業員無断欠勤が起こらない体制を整えていくことも大切です。
人事担当者が職場環境を整えるためにできることに、給与規定や就業規定の整理や見直しがあります。各規定は従業員無断欠勤が起きたしまった時の対処の規定となるだけでなく、従業員に働き方を明確に示すツールになります。
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記事監修者:五十嵐 薫(COMITHR導入コンサルタント)